中川八洋掲示板

世界の現状は、日本の国家安全保障の危機を加速しています。この急迫の時局において、刻々と変遷激しい国内外の事態を冷静に俯瞰できる力を与えてくれる、大容量の真正の知識こそ、いまの日本人に必要なものです。当ブログは、国際政治学者・中川八洋筑波大学名誉教授の個人ブログです。

“極悪独裁者”金正恩の毒饅頭を喰った“狂ピエロ”文在寅 ──“全面戦争の東アジア”が到来し高笑いのプーチンと習近平

筑波大学名誉教授   中 川 八 洋

 “世紀の茶番劇ショー”が繰り広げられた2018年4月27日は唖然とする馬鹿げた日だったねと、ただの苦笑で回顧されるのだろうか。それとも、その後の時代が、特にアジアが、世界平和を破壊して“戦争の21世紀”つまり確実な戦争の時代へと突入した悍ましい記念日として悔やむのだろうか。人類史には、首脳会談の後に平和が到来したことなど一度もない。ビスマルクは歴史に範を求めない者を“愚者”と軽蔑して排したが、今や日本だけでなく、世界中に愚者が、アフリカの大地で発生した蝗の大群のごとく大繁殖してしまった。  

 ここで、少し歴史をおさらいするのは、板門店4月27日会談が、大戦争への一里塚でしかない当たり前の事柄を喚起しておきたいからである。謙虚な人間の常としての歴史に学ぶ姿勢と過程において、北朝鮮からの亡命コリアンの息子・文在寅は、極悪独裁者・金正恩に暗愚故に一本釣りに操られ騙されたのか、それとも父親の代から北朝鮮宗主国と仰ぐ“隠れ北朝鮮人”だからなのか、この事も自然に暴かれるだろう。

殺人常習の独裁者は必ず外交の天才──外交勝利者ヒトラー/スターリンを忘却した日本人

 “残忍・凶悪な極悪人”独裁者は、戦争に負けることもあるが、外交で負けることは決してない。そして彼らは、絶対に勝利する大原則“大勝利の外交”の延長上で、必ず時期を得て大戦争を開戦する。この事例と異なる歴史は一例もない。なお、ここで謂う「外交の勝利」の定義は、その外交の結末が双方にとってwin-winとはならず、“自分win-相手lose”の結果に陥ること。

 この歴史の教訓は、20世紀に在っては、ヒトラースターリンを思い出せば、いとも簡単なことではないか。これに、「平和共存」を売りにソ連の軍事的膨張をやってのけたフルシチョフの事例を加えれば、国際政治の一般教養としては十分だろう。それはまた、ヒトラー/スターリン/フルシチョフの事例に思いを致さないで、テレビ・ショー化された4月27日の金正恩・文在寅会談をそのまま視聴した日本人とは、度が過ぎた無学・無教養だし、国際政治を論じる水準を欠く欠陥人間ということ。

 さて、ヒトラーに外交的大敗北を喫した英国チェンバレン首相、ヤルタ協定(対東欧)やヤルタ秘密協定(対日本)などスターリンに外交的大敗北を喫した米国ルーズベルト大統領、フルシチョフキューバの共産化を認めることになった)外交的大敗北を喫した米国アイゼンハワー大統領の事例に論を進める前に、北朝鮮に騙された過去二回の南北朝鮮首脳会談についても思い出しておこう。

 第一回は、狂信的なコミュニスト金大中が、金正日と2000年6月に平壌で会談。第二回は文在寅の師匠で北朝鮮シンパの盧武鉉が2007年10月、金正日平壌で行った。だが北朝鮮はこの間、弾道ミサイルと核弾頭の開発に驀進した。南北首脳会談は、韓国側を油断させる効果抜群で、重大なマイナスとダメージを遺した。それだけでなく、韓国をして、米国や日本の北朝鮮非難を北朝鮮に代わって受けて立たせる、何とも奇天烈な、北朝鮮を護る“対米日の外堀”に変貌させていた。

 その上、南北首脳会談の効果は、米韓の軍事同盟関係に楔を打ち込むから、絶大なこと限りなし。南北首脳会談の後は、友好ムードが破綻するまでの相当期間、米国が日韓のためにしてくれる、その北朝鮮への強硬路線を凍結に追い込むからで、この事実は二度に亘って十全に証明済み。

独裁者の吐く“騙し語”「平和」は、「戦争準備が終了し」開戦前夜に吠える“鬨の聲”

 このような過去二回の南北首脳会談の結果がもたらした(平和破壊の)危険増大の歴史を知っているだけでは、実は不十分である。この程度の知見なら、新聞に書いてあるからだ。歴史に学んでいる、真正の知性ある日本人か否かは、独裁者の言葉「平和」の真意がその逆の「戦争」を意味すると正しく認識しているか否かで決まる。オーウェルの見事な造語“転倒語法”は、共産国共産主義者の吐く騙し語の本質を衝いた最高のガイドラインである。

 1994年の金日成死去直後、金正日北朝鮮は、核弾頭のプルトニウム製造に不可欠な黒鉛炉等を凍結すると約束し、米国・日本・韓国の費用負担で二基の軽水炉を建設してもらうことにしたが、むろんこれは騙し。実際には、北朝鮮は核開発を続行し、かつ驀進していた。

 クリントン大統領が当初考えていた通りに、寧辺の再処理施設と黒鉛炉三基(建設中を含む)を爆撃して破壊しておれば、1994年以降の北朝鮮の核開発も弾道ミサイル開発もなかったのである。いや、この1994年、この爆撃の衝撃で、北朝鮮は100%の確度で空中爆発するかのように、1989年の東欧諸国の共産体制と同じく崩壊していた。当時後ろ盾のソ連は自分自身の共産党独裁体制の崩壊直後で、北朝鮮を支える経済力どころか外交力すら皆無であった。「今こそ北朝鮮を叩き壊す千載一遇の好機」と考えたクリントン米国大統領の正しい決断を、泣き喚いて止めた超馬鹿・超臆病の金泳三が韓国大統領でなかったら、1994年、北朝鮮は地球から消えて韓国に併呑されていた。

 日本を含めて米国や韓国の愚鈍な大ミステークの第二番目は、2005年の六ヶ国協議であろう。この時、北朝鮮は核放棄宣言に同意した(共同声明に署名した)。だが、むろん、これもまた北朝鮮得意の対米騙し外交であった。2009年、北朝鮮は、六ヶ国協議から離脱して、この核放棄宣言をアッカンベーと後ろ足で砂をかけた。

 しかも2005年は、1994年とはがらりと情況変化を来たしていた。新生ロシアが経済の大混乱から完全に立ち直り、北朝鮮に対する地下水脈命令外交の機能を回復していたからだ。具体的には、(1945年以来の)北朝鮮=ロシアの衛星国”に戻っていた。中共もまた、経済成長をし続け、北朝鮮が核保有国にのし上がる野望を達成できる最低限の経済基盤を支えてあげる、十分な経済力を有するようになっていた。

 この程度の過去の事実を思い出すだけでも、4月27日の文在寅の板門店宣言の、恐ろしい程に空疎であるのが一目瞭然に理解できよう。いや、空疎どころではない。板門店宣言こそは、北朝鮮が計画している、そう遠くない近未来におけるロ中朝三ヶ国の対日全面戦争に向けての侵略の意図を隠蔽してあげる、騙し語「平和」で盛りつけたプロパガンダ文書の典型ではないか。

 要するに、戦争前夜に侵略者が必ずとる、平和愛好国の防衛や未然防止軍事作戦を骨抜きすべく、麻薬と危険爆発物を一緒にしたような“油断”催眠効果抜群の文書(=板門店宣言を、文在寅は、金正恩に代わって、世界に撒布してあげたということになる。

ベトナム戦争を開始しキューバを共産化したのは、「平和共存」の連発屋フルシチョフ

 極悪独裁者の放つ語彙「平和」とは「戦争するぞ」の意味しかない。これ以外の意味を決して持たない。が、この程度の常識を、すでに劣化して知を喪失した日本人は誰一人として有することなくなった。ただ、喫緊の課題は、トランプ大統領の問題。だから、ここでは日本人の問題は脇に置く。トランプが、「極悪独裁者の放つ語彙《平和》とは《戦争するぞ》の意味しかなく、これ以外の意味は存在しない」事を熟知しているのかどうかが問題なのだ。それはまた、トランプが、ロシアに騙されたルーズベルト大統領やアイゼンハワーの愚行を肝に銘じているか否かが問題の核心ということになる。

 フルシチョフは、キューバに核弾道ミサイルを搬入して、首都ワシントンとニューヨークを核攻撃する態勢をつくるべき計画を練った時、まず「スターリン批判」を行い、自分がスターリンとは異なるかのような真赤な嘘イメージを醸成した。この偽イメージ操作の過程で、フルシチョフは、「平和共存」を大連発した。

 なおフルシチョフこそ、スターリン以上に農民殺しに熱心で、ウクライナにおける1930年代の800万人農民餓死処刑を直接指揮したのはフルシチョフだった事実をアイゼンハワーは知らなかった。ロシア正教の教会潰しは、スターリンよりフルシチョフの方がはるかに残忍で阿漕だったが、この事実もアイゼンハワーは知らなかった。

 なお、フルシチョフの「スターリン批判」は、1956年2月の第20回ソ連共産党大会と1961年10月の第22回ソ連共産党大会の、二回ある。1956年のフルシチョフの名演技にすっかり騙されたのが、アイゼンハワー米国大統領。お粗末にもアイゼンハワーは、「スターリン批判」が本気だと錯覚して、ソ連が世界共産化というマルクス・レーニン主義ドグマから変貌するかも知れないと誤解した。キューバの共産革命カストロ独裁政権樹立、1959年1月)は、フルシチョフによって推進されているのに、共産主義者の転倒語法や卓抜する偽情報操作に無知なアイゼンハワーは、対ソ宥和のためフルシチョフを米国に招待した(1959年9月)

 さも「ソ連は米国とは軍事的衝突を決してする気がない」かのムードを米国内に醸成する特効薬が、フルシチョフ発明の嘘スローガン「平和共存」だった。ケネディは、前任者アイゼンハワーほど騙され易い米国大統領ではなかったが、米国の一般国民の中で「ソ連と平和共存できる」と考える馬鹿が一気に増えていたことで、その対ソ外交で随分と足を引っ張られた。トランプの脳内は、アイゼンハワーと酷似している可能性が高い。

 特にフルシチョフは、1961年に入り、米国を標的にした核弾道ミサイルSS4&5のキューバ搬入と設置を決定するや(実際の搬入は1962年10月)、米国を油断させるべく、第22回ソ連共産党大会(1961年10月)で「平和共存」演説をド派手に演出し、世界とくに米国に向けて発信した。次の演説を、文在寅が署名した、今般の対北朝鮮全面屈伏文書「板門店宣言」と比較してみよ。基本的にそっくり。

「我が国は、二つの巨大国であるソ連と米国が、どんな性質の関係を取り結ぶかを特に重要だと考えている。もし両国が平和のために足並みを揃えて努力するならば、誰が敢えて平和を脅かす立場をとるだろうか、そうした立場に立とうと望むだろうか・・・」

 また、第22回党大会で新しい共産党綱領が採択され、この綱領でもまた、「平和共存は、国家間の紛争問題解決の手段としての戦争放棄/内政不干渉/・・・・/国際的な規模における社会主義と資本主義の平和競争などの、基礎であり・・・」と嘘宣伝されていた。だが、フルシチョフからブレジネフにかけた二十五年間のソ連対外侵略史からも、共産主義者の言葉「平和共存」「平和競争」とは、“自由社会が、共産国の軍事侵略に対して指をくわえて侵略され放題になる事”という意味だったと、今では誰でも知っている。

 ここでは詳しく分析するのは割愛するが、板門店宣言は、眼光紙背に徹して読めば、文意は「韓国が北朝鮮国益のために北朝鮮の言いなりになる事を誓約する」文意になっている。金正恩の背後で指揮を執っているのは、中共習近平ではなく、ロシアのプーチンとその配下のKGB第一総局SVRフルシチョフの「平和共存」と同一のロジック表現となっているのは当然なこと。

 ともあれ、フルシチョフの「平和共存」が、キューバの共産化だけでなく、西ベルリン封鎖ベトナム戦争の開始など、その世界制覇への軍事的大膨張を促進する軍楽隊の行進曲だった歴史を忘れてはなるまい。

国内大量殺戮の独裁者と対外侵略は一つコインの裏表。金正恩は侵略を止めない。

 ヒトラー第二次世界大戦を開始したことなど誰でも知っている。スターリン朝鮮戦争を起こしたことなど誰でも知っている。スターリン毛沢東国共内戦を指示・支援したことなど誰でも知っている。フルシチョフベトナム戦争を開始したことなど誰でも知っている。毛沢東チベット侵略とその独立剥奪をしたことも誰でも知っている。  

 と同時に、ヒトラーユダヤ人を最低数でも150万人以上をチクロンその他で殺戮したことなど、誰でも知っている。ヒトラードイツ国内の身体障碍者/精神障碍者あるいはジプシーの「安楽死」を敢行した蛮行についても誰でも知っている。スターリン(レーニンと総計で)自国民を6600万人殺戮したことも誰でも知っている。毛沢東が「大躍進」マルクスの教義に従い、農地の「人民公社」化)や「文化大革命(ルソーの『人間不平等起源論』に従い、文明社会を未開時代に戻す退化革命)で自国民8500万人以上を殺戮したことも誰でも知っている。  

 だが、一個の人格において人間殺戮と対外侵略は不可分の関係にあり、国内自国民を平然と殺戮する独裁者は必ず対外侵略を平然と行う哲理を知っている者は、ほとんどいない。私の知る限り、この深遠な国際政治学上の哲理を拳々服膺していた政治家は、偉大な英国首相ウィンストン・チャーチルぐらいであろうか。

 チャーチルは、1932年から1938年秋に至る丸七年間、数回の国会下院演説で、ヒトラーが英国に侵略して来ると予見と警告をした。このとき彼が挙げた「ヒトラー=戦争屋」である理由の一つが、「ヒトラーは国内でSS(親衛隊)等を使いテロルを日常としている」だった。が、凡庸人は、ある特定独裁者の国内政治の手法と対外政策とは別次元だと、独裁者の行動を予見し透視するに極めて重要な、この一体不可分性の真理を等閑視し否定する。

 今こそ、チャーチルが発見した、深遠にして深刻なこの国際政治の原理原則を、日本は緊急に、また絶対に凝視し、日本国の対外政策の指針にすべき時である。

 金正恩は、自分の兄金正男、希釈VXで殺害)や義叔父張成沢、銃殺)すら平然と殺す殺人鬼である。「気に食わない」だけを理由で処刑された側近は、すでに百名を超えた。まさに、殺人鬼であり、スターリンの再来である。「反体制的」と当局に認定された他の一般北朝鮮人は拷問され強制収容所送りとなるだけでなく、人知れず殺戮されているが、これも金正恩の日常である。その数は数万人と推定されているし、数十万人のレベルの可能すらある。金正恩と平和を語ること自体、ナンセンスを超え地獄への直行便ではないか。

 爆弾で遊ぶ子供のごとく、このような金正恩と“会談ごっこ”する文在寅やトランプは、かつてヒトラーミュンヘンで会談して(1938年9月末)第二次世界大戦の開戦を手助けした英国首相チェンバレンの愚行を繰り返す戦争協力屋だと言える。文在寅はいざ知らず、トランプ米国大統領まで東アジアにおける全面戦争勃発の土壌づくりに励むとは、世界は今“狂ピエロ”が国家を担うのが流行なのか。

騙し言葉「平和」を撒布するのは“侵略の独裁者”の性癖──ヒトラー「平和演説」の事例

 侵略の独裁者が、いかに言葉「平和」を巧みに操り、また「平和」を大量に使用して、侵略を開始するための環境づくりをすることについては、「ヒトラー平和演説」において歴然と証明済みである。「ヒトラー平和演説」とは、学界の通説に従えば、1933年5月17日と1935年5月21日の国会演説を指す。この演説については、触り程度ならば、注1参照のこと。

 後者の第二回平和演説について、その基本をかいつまんでおこう。今般の金正恩板門店宣言ヒトラー平和演説をソックリ継承しているからだ。ヒトラー平和演説は、まず①正義に基づく平和を高らかに謳い戦争を否認するという、侵略者のお決まり騙し文言に始まり、②ドイツがいかに平和を欲し平和を必要としているかを力説する。そして、ヨーロッパの秩序再編問題にとって、「いかに戦争が無用で有害なものであるか」を強調する。殺人鬼が殺人を実行する前に殺人の有害無益さを強調するのと同じ。このヒトラー平和演説にコロリと騙されたのが英国。平和愛好国の英国は、演説直後の翌六月、ヒトラーと英独海軍協定を締結し、ベルサイユ条約を破ってあげ、ドイツに英国海軍力の35%を上限にその再保有を認めた。

 そもそも、この平和演説は、ヒトラーが二カ月前(1935年3月16日)ベルサイユ条約の事実上の廃棄である「陸軍50万人保有と徴兵制復活」を宣言したことに対する、世界中に沸き立った非難をかわす目的のもの。結局、ヒトラーの思惑通りになり、この平和演説一本で、ドイツの再軍備が認容され、ベルサイユ条約は死文と化した。ナチ・ドイツの侵略は、一年後の1936年3月7日の、ロカルノ条約違反の)ラインラント進駐を皮切りに怒涛のごとく開始されていく。

 真の平和愛好国の首脳は、具体的な政策を演説しても、抽象語の「平和」「戦争反対」「戦争状態の終結」など、通常めったには口にはしない。だが、自由社会の一般民衆は、自国の首班の演説すら記憶にない。つまり、彼らは、軽薄さと無責任さだけは一流。だから、自分の平和願望が平和への努力(国防力の強化)を惜しむ堕落を母胎にして生まれた腐敗思想なのが自覚できない。腐敗した精神の耳では、侵略者の騙しの甘言は“平和の特効薬”に聞こえる。

 要は、今般の板門店宣言に、日本に対する北朝鮮ノドン核/化学弾頭搭載ミサイルが大量に投下される日が一段と近づいたと戦慄しない日本人は、無知を通り越した、人格と精神が究極の腐敗と堕落で朽ち果てているからである。

金正恩の対米・対日外交=100%プーチン製”を全面無視する安倍総理の不可解

 金正恩は、昨年末までの軍事脅迫路線一辺倒の獰猛なタカの本性を隠し、突然、平和のハトの仮面を被った。この前代未聞の豹変は、殺人を日常とする凶悪な極悪人が得意とするアホ馬鹿に対する騙し演技でないなら、万が一にもしていまい。この事について、議論の余地は存在しない。

 この意味で、金正恩が主演男優を務めた今般の“世紀の騙し外交ショー”に、日本中が国挙げて、金正恩の術中に嵌ったことになる。脳内が麻痺した日本人が板門店宣言に騙されたか否かを、問題視しているのではない。金正恩の平和攻勢とその“三文ショー”に振り回され、日本が自国の安全第一や国益第一などそっちのけにばっさりと忘れてしまった深刻な事態の方を指摘したいのである。

 日本とは、軍事力強大な中共とロシアに囲まれ、西と北から侵略される“風前の灯火”態勢にある。日本の被侵略情況は、まさに年々瀕死の事態へと悪化と転落のテンポが止まらない。つまり、日本とは対ロ/対中の国防問題を片時も忘れてはならない地理環境にあるのに、“スーパーお馬鹿”日本人は、あろうことか、殺人鬼朝鮮人と狂ピエロ朝鮮人がお手手つないだ“火遊びショー”に浮かれる、自失・自棄に阿波踊った。  

 現に、4月17~18日の日米首脳会談(フロリダ)から4月27日に至る約十日間、日本の新聞テレビは、夕食会のメニューは何だとか、アホらしさもここまでやるかと目を覆う劣悪を極めた板門店報道で埋め尽くされていた。だが、一億日本人の国挙げての「自国の安全第一や国益第一などそっちのけテレビ漬け」を計算に入れていた習近平は、この間、空母「遼寧」機動部隊を基幹とする台湾恫喝と沖縄侵略の海軍大演習を挙行した。  

 4月12日の、海南島の南海上での空母「遼寧」ほか艦艇48隻/戦闘機76機などが参加した海軍大演習が、数年後の尖閣諸島石垣島宮古島に対する侵攻占領演習である事は、自明すぎよう。しかも、この海軍演習に習近平が閲兵するほどの熱の入れようだった。続いて、4月22日、尖閣の目と鼻の先での東シナ海海上で、この空母機動部隊は、尖閣侵攻を想定した対空/対潜作戦の海軍演習を行った。

 だが、日本で、風雲急を告げる尖閣防衛のための軽空母四隻を至急建造せよなどの聲はない。中古のロサンゼルス級原子力潜水艦を最低でも四隻、できる限り八隻を購入せよの聲もない。

 南シナ海に対する中共制海権(シー・コマンド)樹立の勢いは、インド洋制覇(シー・コントロールとも繋がっており、バングラデシュスリランカパキスタンは、今でははっきりと中共の準同盟国となっている。バングラデシュは、中共の潜水艦二隻を就役させたばかりか(2017年3月)、その母港という名目で中共が自由に使用できる巨大なパイラ軍港を中共に建設させている。パキスタン中共から8隻の潜水艦を購入するのは確実。東アジアとインド洋は、戦争の世紀へとまっしぐらに突き進んでいる。日本国が2050年でもまだ今のままに存続していると考える軍事専門家は世界には一人もいない。

 以上のような一部の情況を見るだけでも、一億日本人が、金正恩の“真赤な嘘偽りの非核化ショー”に浮かれて、自国の国防情況を悪化させている東アジア・インド洋情勢を等閑視する能天気に堕していることが一目瞭然である。日本は、トランプの米朝首脳会談を待たず、すでに金正恩外交に全面的に大敗北したのも一目瞭然である。

 安倍晋三は戦わずしてかくも無残に、すでに金正恩に外交大敗北を喫した。金正恩の軍門に屈したとも言ってよい。この対北外交の日本大敗北の実態をさらに掘り下げると、安倍晋三の墓穴を掘る大愚行によって、実は、さらに深刻である。

 先にも指摘したが、金正恩“非核化ショー”は、プーチンの脚本・演出。プーチン皇帝のロシア帝国が侵略の牙を引っ込めない限り、日本は金正恩外交で窮地に立たざるを得ないし、その先はますますロシアの属国化という落とし穴に囚われるのが必定。端的に言えば、日本が“第二のクリミヤ半島”へと転落する罠にがんじがらみになるよう、プーチン/金正恩コンビは着実に追い込んでいる。

 しかも、日本の不幸は、首相の安倍晋三が“稀代の対ロ売国奴”であること。今こそ、北方領土を無条件・即時返還をしないプーチンとはきっぱり縁を切ることが、日本の領土を守り、北朝鮮に外交を牛耳られないための最低限の策。

 だが、外交を自分の内閣支持率に使うことしか頭にない“外交私物化のトンデモ売国奴”が安倍晋三の正体。だから逆さにも、北朝鮮との外交が正念場の今、決して会ってはいけない“侵略の皇帝”プーチンにいつもの幼児的おねだりに、のこのことサンクト・ペテルブルグに出かけるのである。“スーパーお馬鹿”以上に逆立ち外交が専門の安倍晋三は、いずれ日本史上最悪・最凶の反外交に徹した対ロ売国奴として、その名を日本政治史に遺すことになるだろう。

 

注  

1、高田博行『ヒトラー演説』、中公新書、159頁、177頁。高田は国際政治学が専門でないから止むを得ないが、本書には、ヒトラー演説の中でも重要な二つの「平和演説」の骨子が、巻末附録として所載されていない。何かの機会に全文を翻訳せねばと考えている。                                        (4月29日記)

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