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中川八洋掲示板

世界の現状は、日本の国家安全保障の危機を加速しています。この急迫の時局において、刻々と変遷激しい国内外の事態を冷静に俯瞰できる力を与えてくれる、大容量の真正の知識こそ、いまの日本人に必要なものです。当ブログは、国際政治学者・中川八洋筑波大学名誉教授の個人ブログです。

日本は“有人月面着陸”を決断し実行する他ない ──日本の産業は、技術革新の大躍進を見出せなければ空洞化が必至

筑波大学名誉教授     中 川 八 洋

(本稿は、本ブログ10月14日付け「日本経済を破壊するアベノミクス」で言及した「日本経済を起死回生するための技術革新をどうするか」の部分について、若干の補足である)。

1995年9月に逝った“盟友”曽野明を思い出す昨今

 隣国・ソ連邦が崩壊し「新ロシア帝国」に衣替えした1991年末、「日本は外敵の脅威喪失だと誤認して自己溶解作用を起こし、自壊的に国家衰亡へと転落する」と、日本国の行く末を憂えて心底から戦慄したのは、日本中を捜しても曽野明と私の二人だけだったと確定できる。実際に、曽野明と私は、1992年1月、ソ連邦の崩壊後のロシアと日本について、相互の見解を確認し合った。

 ロシアを知り尽す“日本のロシア通ベスト・ツー”を自負する曽野明と私は、「反共・反ソ」ではなく、小村寿太郎/吉田茂を正統に継承する「反共・反露」だから、ソ連邦の崩壊をもって、“ロシアが再膨張と大侵略するため二十年間の時間稼ぎをするために《役に立たなくなった共産党独裁》を止めただけ”、としか見做さなかった。この正確無比なロシア観察において、ソ連マルクス・レーニン主義を棄てて市場経済の国・ロシアになったならば、日本人は麻薬投与されたとの同じ思考麻痺を起こし、ロシアの軍事脅威が去ったと逆さに誤認しロシアに油断すると、曽野明と私は憂えたのである。

 そして、曽野明と私は、新ロシアの対日侵略のルートが、1900年義和団の乱~1945年の「東シベリア満洲朝鮮半島」のルートから、1855~1875年の「沿海州樺太→北海道」に変更されるだけに過ぎないと、ロシア民族の不変の対日侵略に関する見解の完全一致を確認し合った。そして、二十年後に必ず復活する“新ロシアの軍事脅威”を纏めたのが『蘇えるロシア帝国―戦争の21世紀(1992年5月刊)。曽野明は、同年3月、ゲラでこれを読み絶賛してくれた。

 実際にも(1991年末から二十年後の)2010年秋、メドヴェージェフ大統領が国後島を訪問し、プーチン皇帝の新ロシアは、“対日侵略を再開する”と内外に向かって大きな狼煙をあげた。私の1991年12月末の予測「二十年を経れば、必ず、ロシアは日本に牙を剥く」は、見事に的中した。

 なお、先述の1992年1月の折り、曽野明が惜しみなく称讃した私特有の他の見解が二つある。その一つは、「ソ連とは国内独裁体制を二頭馬車で運営してきた暗黒社会だったが、新ロシアの独裁は一頭馬車で行い、ロシア政治から宗教性が無くなり表面上は暗黒性が消えるが独裁体制は不変。具体的には、共産党KGB第二総局の二重独裁から、KGB第二総局だけの一重独裁体制への移行が新ロシア」。実際にも、プーチン/メドヴェージェフともにKGB第二総局出身であるように、私の予測はこれも的中した。

 もう一つは、「これから(=1992年以降)、日本国内では共産主義思想が逆に猖獗する。“赤いマルクス・レーニン主義”の衣装を“白い(透明な)マルクス・レーニン主義”に着替えて、日本全体を共産化する時代錯誤の革命に一斉に走り出すはず」という見解。この的中は、世界水準に照らして突出しており、自分の学者人生の中で唯一例外に「天才級の推定だった」と自己評価している。

 後者の見解に従い、私は、“白い(透明な)マルクス・レーニン主義による日本共産社会化革命”と闘うべく、1992年4月1日をもって、国際政治学を凍結し、哲学・思想に学術研究の軸足を移す旨を曽野明に話した。実際にも私は、1992年4月1日午前八時きっかり、バークの『フランス革命省察』の研究にとりかかった。この成果が姉妹書『正統の哲学 異端の思想』『保守主義の哲学』になった。

第一節 朝日/産経新聞の“共産革命の獅子吼”「政治改革」キャンぺ―ン

「失われた20年(1992~2012年)」を、「全てを失う日本」に一層悪化させた“衰亡加速器アベノミクス

 要するに日本は、1991年12月末のソ連邦崩壊に伴い、世界の潮流に逆行して、“白い(透明な)マルクス・レーニン主義による日本共産社会化革命”に暴走し、自国・日本をして「失われた二十年(1992~2012年)」に陥れたのである。

 しかも、二十年以上が経つ2012年以降も、日本は、“白い(透明な)マルクス・レーニン主義による日本共産社会化革命”から脱却しようともせず、放擲しようともせず、あろうことか持続している。特に、“民族系”安倍晋三が、「デフレ脱却」の名目で、“白い(透明な)マルクス・レーニン主義による日本共産社会化革命”を力強く推進している。

 アベノミクスこそ、「失われた二十年(1992~2012年)」を持続させ強化し加速する、「すべてを失う日本」に向かって驀進させる逆噴射エンジンに他ならない。“狂気に錯乱し衰退し続ける二十一世紀日本”は、「女性活躍=フェミニズム/家族解体/市場経済破壊」「同一労働同一賃金マルクスの労働価値説/市場経済破壊」「働き方改革=日本人からの勤勉剥奪/市場経済破壊」「財政ファイナンス=擬似・計画経済」等、“80%共産主義者”で準コミュニスト安倍晋三による、日本共産社会化革命の推進によって、ますますそのトレンドが不可逆過程へと加速されている。父親安倍晋太郎からマルクス・レーニン主義の「計画経済」を頭にレイプされている首相・安倍晋三の片足は、共産党中核派と同じ極左イデオロギーにずっぽりと嵌り込んでいる。

 さて、「失われた20年」の歴史と原因を簡単に復習しておこう。日本人は知的水準が低く、記憶力が悪く、仮にいったん記憶してもすぐ忘れる。それ以上に、過去を振り返り過去の自分を反省する文明社会の知性ある人間としての資質すら完全に失い、今では日本人は、野蛮人や家畜動物に酷似した、食うため/生きるためだけの今日明日の生活にしか関心がない。日本民族がここまで劣化するとは、文武両道を日本男児の心得だと緊張した日々しかなかった、1965年に成人式を迎えた私の世代には信じ難い“荒涼と退嬰の悍ましき光景”が、安倍晋三が率いる現在の日本の、惨状というべき現状である。

 それはともかく、日本の「失われた20年」は、ソ連邦の崩壊に連動して東欧・アフリカ共産国家のドミノ消滅が世界的な潮流なのに、それとは逆方向に向かったことで始まった。この始まりは、1992年1月1/3日付け『朝日新聞』社説における「政治改革=日本共産化」宣言が、その証拠として残っている。社共が消滅する危機を逆手にとって、自民党を政権から追放する“国民騙しスローガン”が四文字魔語「政治改革」だったが、これが1992年の日本中に木霊したのである。

 社会党共産党朝日新聞産経新聞の一斉射撃的な「政治改革」革命に呼応して、毛沢東崇拝の社会主義者で“半朝鮮人小沢一郎自民党を飛び出し、結果として共産党系の細川護熙の八党派内閣ができ、自民党は政権の座を追放された(1993年)細川護熙の後には村山富市社会党政権が誕生し、第一次安倍晋三政権の2007年9月まで、日本国家の解体である「地方分権」が国策の筆頭だった。

 第一次内閣の安倍晋三首相は、党籍のある日本共産党員でレーニン/毛沢東崇拝の丹羽宇一郎と懇ろで、明けても暮れても「地方主権」という反日政策に没頭する始末であった。が、このように第一次安倍内閣時の安倍晋三は100%共産主義者をあらわにし過ぎて、ついに米国政府(ライス国務長官の怒りを買い、2007年9月、仮病か否かは知らないが「病気」を口実に辞任した。

 その後も「1992年政治改革」による、日本の政局の混乱と政治の不在が続き、それは民主党政権の崩壊の2012年12月まで「二十年間」も続いたのである。このように、「日本の失われた二十年;1992~2012年」の原因と理由はすべて、正常な政治の不在もしくは左翼革命勢力の政治占領によって生じたのである。つまり、二十年間の経済政策が間違っていたのではなく、まともな経済政策を考える余裕など“革命ごっこ”の日本の政局に存在しえなかったために生じたのである。  

 日本人が、もし真面目に「失われた二十年」について考察したいならば、最小限、二つの事柄をまず率先的に思索すべきである。

 第一は、政治(政界、国会議員が二十年間も日本経済を疎かにした/疎遠であった事実から、霞が関官僚を含めた政治(政界、国会議員は、日本経済を再生する知的・学的能力を完全に喪失したはずという当たり前の事柄を想起する事。そればかりか、“統制経済の残滓官庁”経産省と周辺にたむろするいかがわしい人物から経済政策を操られている(やたらに人気に焦る)安倍晋三に、「経済における、失われた二十年」を逆転する“知”など存在するはずもないこと。安倍晋三の逆立ち経済政策アベノミクスは、必然的に「新しい《失われた二十年》」をさらに強化し固定化するのが落ちだということ。

 第二は、1992年、世界中から狂気と軽蔑された「政治改革」を仮に日本が選択せず、まともな政策をしていたら、その後の日本はどうなったかを反省してこそ、「失われた二十年」の省察として真っ当なもの。常識と賢慮ある反省のため、1992年に“日本の狂気”「政治改革」を一掃し、代わりに国の政治アジェンダにしようとした「ポスト冷戦期の中川三策」を、比較のために紹介する。日本が1992年「中川三策」を選択していれば、「失われた二十年」が発生したか否かは、言うまでもないこと。

潰された「中川三策」が1992年日本の進路だったら、「失われた20年」は起きたか

 前者の「政治改革」「男女共同参画社会」の一掃については、俵孝太郎との共著『政治改革の非常識、常識』『与謝野晶子に学ぶ―幸福になる女性とジェンダーの拒絶』第二部等で、当時の私の闘いぶりが少しは今に残っている。が、後者については、「政治改革」「男女共同参画社会」「地方分権」が、私のエネルギーをそれらとの闘いに消耗させ、「中川1992年三策」をアッピールし本に纏める時間を私から奪い去ってしまい、書籍や論文にすらなっておらず、講演その他のメモ的な記録から纏めると、およそ表1のようなものだった。     

表1;1992年、白い共産革命に大逆走した日本を、潰された「中川三策」と比較する

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 表1右欄の「3」については、私が二十四年前の1992年に推測した以上に、日本の技術革新力の大幅な劣化は顕著に深刻。この事を鑑みて、ほぼ一世代に近い二十四年間も遅れたが、以下、改めて提唱したい。

第二節 「有人月面着陸」「宇宙ステーション」が、平成日本の筆頭国策!

 さて、前稿「日本経済を破壊するアベノミクス」でも掲げたが、世界知的財産機構(本部は、ジューネーブ)が、2016年8月15日に発表した「世界技術革新指標GII」によれば、日本は16位である(表2)。アジアにおいても、6位のシンガポール、11位の韓国、14位の香港に及ばない。

 問題は、「なぜ日本の技術革新力は低く、ベスト5にすら入らないのはなぜか」の研究を、どういう訳か安倍晋三の政権はしようとはしないこと。アベノミクスをぶち上げたからには、安倍晋三は、「ベスト5入りのための政策」を打ち出していなくてはならないはず。だが、過去四年間、首相の安倍晋三の口から“技術革新”という言葉が発せられたことは、一度もない。安倍晋三の日本政府は、経済発展に全く真剣ではないし、実態としては全く関心すら有していないと断定しても、正確である。     

表2;技術革新力の世界トップ20  

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 アベノミクスの重大欠陥と欺瞞の問題はここではいったん脇におく。が、われわれ日本人は、日本人の知的学的資質を抜本的にどう向上・改善し、日本の技術革新力をどう回復するかにこそ、もっと真剣でなければならない。それは、日本のこれからの存亡に直結するからだ。

「宇宙大国」に驀進する中共に対抗せずば、日本は国家生存も外交力も喪失する

 2016年10月20日、フィリッピンのドゥテルテ大統領は北京に赴き、習近平に叩頭し、南シナ海の自国領土であるスカボロー礁への中共の侵略を棚上げすることに同意した(10月21日付『朝日新聞』)。東アジアは、今や中共を「首領」に頂く“大中華主義支那”が支配する構造へと移行している。それは、さほど遠くない2020年代ですら、日本が中共の軍門に下る、のっぴきならぬ東アジア軍事態勢がより深刻化したことに他ならない。  

 日本の衰退は、経済力だけでなく、このように軍事力におけるスーパー弱小国路線を正そうとはしないことにおいて、もはや決定的。特に、南シナ海における中共のやりたい放題の侵略行動に対し指をくわえてただ等閑視するだけの、“脳内空洞の口先男”安倍晋三・日本の惰弱と無能力(インポテンツ)は、東南アジア諸国を一気呵成に“日本離れ”に追い込んでしまった。日本はアジア諸国から蔑視され敬遠される“お粗末な貧弱国家”へと転落した。

 中共の “アジアの覇者”としての昇竜的な台頭と君臨は、①GDPで日本を抜き世界第二位となったこと、②空母と原子力潜水艦の強化による海軍力増強で東シナ海/南シナ海を“制海する”方向が一段と鮮明になってきたこと、だけではない。国威発揚を一体的に兼ねる、③米ロに並ぶ三大「宇宙大国」の地位が確実になったことも決定的要因である。

 以下、まずは、中共の「宇宙大国」への爆走情況を概観する。「働き方改革」とか「保育園不足(待機児童)解消」など極左イデオロギーに染まってマルクス共産党宣言』のまんまの“共産社会・日本”づくりに現を抜かす赤い安倍晋三が、いかに日本滅亡に直結する自国損傷をしているかを、正常な日本人には一目瞭然に理解させるに、最も簡便な方法だからである。

2012年6月、神舟9号と天宮1号のドッキング成功で、“アジアの覇者”となった中共

 さる10月19日、中共の有人宇宙船「神舟11号」は、地球周回軌道を回っている中共の宇宙実験室「天宮2号」とのドッキングに成功した。二人の宇宙飛行士が、実験室に乗り移り、30日間の長期滞在実験を開始した。

 この成功は、「神舟9号」と「天宮1号」による2012年6月の初めてのドッキング成功からして三度目に当たる。これによって、中共は、宇宙ステーションの建設技術を確立するから、おそらく2022~3年頃、支那製宇宙ステーションを完成する。  

 中共のこのような「宇宙大国」への急速な発展・膨張の動きは、この隣国の敵性において、日本国の存立基盤を危うくする。こんなわかりきった情況の現出に対し、驚くべきことに、日本政府と日本人の反応は死体のごとくに全くない。日本にあるのは“無関心”と沈滞の淀む“無気力”のみ。日本人が家畜動物並みのアパシー化して、日本民族ではなくなったのである。唖然とするばかり。  

 特に、日本人が少しでも「日本国民」であるなら、2012年、眠りから覚め正常さを回復して、「国防第一」と「有人宇宙船打ち上げの国家プロジェクト化」を筆頭国策にしたはず。何故なら、2012年、日本は、敵性隣国が放った、表3にある三つの国家的危機に直面した。つまり、日本人が国際標準の真人間であれば、表3の三事件を“トリプル・ショック”として、直ちに「国防第一」「有人宇宙船打ち上げの国家プロジェクト化」に、朝野を挙げて邁進したはずだからである。

表3;2012年、“アジアの覇者”となった中共

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 しかも、この2012年、偶然に、北朝鮮菅直人ほか)支那人かぶれ鳩山由紀夫の夫人は純血の支那人など非・日本国民が主流の民主党から、民族系の安倍晋三に政権が交替した。表3のトリプル・ショックのうち、安倍晋三は、二つほどは推進すると私は期待した。が、2013年1月には、この期待が全て裏切られたと悟った。表4にリストしたが、安倍晋三は、日本国の国益を棄損する、逆走の極左路線に舵を切ったからだ。

表4;2012年12月、安倍晋三は、日本衰亡の政策に驀進する旨を宣言した

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 本稿は表4の「四番目」をとりあげるものだから、他の三つには言及しないが、「有人宇宙船打ち上げプロジェクト」こそ、暗鬱な「失われた二十年」の日本経済停滞を吹き飛ばし、日本に差し迫っている輸出貿易の衰退を加速する技術革新力の大低下を反転させる大いなる特効薬になるのは間違いないだろう。しかも、東アジア全体/世界全体で沈没する日本の国際的地位を維持する、外交力反転のための切り札になることも間違いない。

 だが、安倍晋三は、この「有人宇宙船打ち上げプロジェクト」を打ち出すことはしなかった。しかも、安倍政権ができて一年後に、敵性国家・中共は、宇宙開発の次なる段階へと、その技術を発展させた。表5に明示したが、月面に無人探査機を着陸させるのに成功し、月面車「玉兎号」を走らせる画像を地球に送ってきたからだ。

 この画像を見ながら切歯扼腕した日本人は幾人いたのだろう。この画像は、東南アジア諸国の人々も等しく見ているのだ。ということは、東アジアにおける日本の国際的地位は、一瞬にして暴落的に下落したのである。同時に、月面の探査機を着陸できない日本とは、ポスト自動車産業の技術革新/産業構造改革をできない、“ものづくり”を劣化させた(経済においても)三流以下国家に転落する道を選択したことに他ならない。

表5;中共の有人月面探査プロジェクト

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 今からでも遅くない。日本は、国防と経済発展の技術革新力のために、「有人宇宙船プロジェクト」と「有人月面探査プロジェクト」を筆頭国策に決断して鋭意推進しなければならない。この時、日本は、国防力の強化による国家安全と外交力を健全に回復するばかりか、次代に日本版スティーブ・ジョブスを複数輩出できる基盤も整備できるのである。  

 なお、このためには、現在、内閣府にある「宇宙政策委員会」を全面的に変革しなければならない。特に、「内閣府宇宙政策委員会」が今では、コペルニクス的技術革新や国家の外交力向上など全く発想できない、“掻き回し官庁”経産省の事実上の主導下にある弊害を除去しなければならない。が、この問題は、本稿より別稿で論じるべきものなので、ここでは割愛する。

第三節 近づいている、ノーベル賞受賞の日本人がゼロになる日

 表6で明らかだが、「日本人の(平和賞と文学賞を除く)学術関連ノーベル受賞者は、欧米に比して大幅に少ない」。これはなぜなのかにつき、安倍晋三自民党政府も一般日本人も、真剣に悩んだことはむろん、検討したことすらいっさいない。そもそも日本人は、この深刻な事実に気づいていない。

 日本人は、広島カープが優勝した娯楽のスポーツと同種扱いして、「やったー! 日本人がノーベル賞を受賞した!」と騒ぐだけ。安倍晋三も、文科省官僚も、一般の日本人も、明らかに“馬鹿民族のクズ人間”に成り下がっている。表6は、本邦・日本では初めての、ノーベル賞受賞に関する考察なので、拳拳服膺されたい。受賞者数字は、平和賞と文学賞を除外。      

表6;人口比で見ると明らかな“日本人ノーベル賞受賞者の少なさ” 

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(備考1) 受賞者数は国籍主義でカウントしたので、南部陽一郎中村修二は「米国」扱い。   

(備考2) 13ヶ国を抽出しただけなので、全世界をチェックすれば日本の順位はもっと下がる。  

 この日本人のノーベル受賞者が、人口比でみると際立って少ない深刻な現状は、これからもっとひどくなる。この事を、今般、ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典教授は、実に的確に憂慮されておられる。彼の謂わんとするところは、テレビでも放映されたから思い出す方もいるだろうが、二点ある。

 第一は、日本人のノーベル受賞者は、山中伸弥教授を除き、ほとんどが二十年前/三十年前の研究成果に対する授与であり、現在の日本の科学研究のレベルを示すものではないこと。

 第二は、昨今の文科省の応用研究重視行政によって、つまり露骨な基礎研究《軽視》行政によって、日本は二十年先/三十年先のノーベル賞受賞は見込めなくなっている。もし、ノーベル賞受賞クラスの世界のトップ水準の科学を日本が維持したいなら、基礎研究費を現在の五倍、少なくとも三倍にしなくてはならないこと。

 この大隅教授の指摘or提案は、100%正しい。安倍晋三は総理執務室にテレビ・カメラを入れて大隅教授にお祝いの電話をかけていたが、文科大臣に、国立大学の基礎研究費の三倍増(注2)はともかく、即座に可能な三割増ほどの指示すら出さなかった。“スーパーお馬鹿”安倍晋三にとって、大隅教授が記者会見で語った貴重な話は、聞いても何の意味かさっぱり分からなかったからだ。諺「豚に真珠」は、真珠をサツマイモでないとポイ捨てする豚に安倍晋三はそっくりだという意味。

 私は、「大隅教授は、実にいいことを言うなー」と感心してテレビに向かって思わず拍手したが、第三の問題を指摘しなかったのが多少不満だった。第三の問題とは何か。赤い文科省官僚によって、高校入試/大学入試制度が何度も何度も改悪させられ、今では日本の大学はほとんどが“痴者の楽園”と化しており、次世代日本人は、ノーベル賞を目指させる際立つ基礎的知識&昼夜を問わずに努力を続ける抜群の勤勉性の双方を欠如している。1950~60年代の東大生より一・五ランクも低い現在の東大生を見ればわかるように、文科省によって、次代の日本人は、頭がスカスカに劣化改造を強いられたのである。

 共産党系と北朝鮮寺脇研は氷山の一角)が八~九割を占める真赤な文科省官僚たちが鋭意取り組んだ、1970年代に始まる、具体的には三木武夫首相時の共産党員文部大臣・永井道雄以降から、「日本人の頭をスッカスカにしてやれ」のトンデモ行政が成功裏に結実したと言える。日本は、科学研究とともに、大学を含め学校教育の根本指針を反日官庁”文科省から奪還し、真正の日本国民の手で再建しなければならない。どう再建するかについては別稿の任務。よって、ここで擱筆。       

(10月21日記)

 

1、尖閣諸島の我が国領海への中共公船の侵犯は、2008年12月のが最初。だが、2012年9月からは、この侵犯回数が異常に増えて、明らかに尖閣に上陸侵攻する準備に入った。2012年9月に13回、10月に19回、11月に15回、12月に21回、である。国際法違反の、中共の領海侵犯は、四年を経た今に続き、ますますエスカレートしている。  

2、科学の基礎研究費三倍増は、文科省の予算全体を増加させずとも、拙著『民主党大不況(268頁)に書いてある通りに安倍晋三が決断すれば済む。現在の三倍以上の理工系・医学系での基礎科学研究費を捻出するには、水準以下の劣悪な教官と大学生とは言えない劣悪な大学生しかいない(国立大学八十七校のうち半数の)約四十校の国立大学の文科系学部・大学院の全面廃止を断行すること。なお、廃止される国立大学名は、拙著を参照の事。

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