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中川八洋掲示板

世界の現状は、日本の国家安全保障の危機を加速しています。この急迫の時局において、刻々と変遷激しい国内外の事態を冷静に俯瞰できる力を与えてくれる、大容量の真正の知識こそ、いまの日本人に必要なものです。当ブログは、国際政治学者・中川八洋筑波大学名誉教授の個人ブログです。

“詐言師”伊藤貫の真赤な嘘話が大好きな、“精神分裂病作家”西尾幹二──“歴史の偽造屋”西尾幹二の妄言狂史32

西尾幹二の妄言狂史

筑波大学名誉教授     中 川 八 洋  

 西尾幹二は、少年の頃から、オウム真理教麻原彰晃などと同種の精神病から、自らを「神」であるかに狂妄する根深く暗い狂気を抱えて今日に至っている。西尾幹二を蝕む精神異常は、商業月刊誌『WiLL』2011年7月号&8月号における、日本共産党に与した“脱原発”アジプロ(煽動宣伝)においても露わであった。

 この二本の「西尾《脱原発》煽動論考」の特徴は、第一は、全編が真赤な嘘だらけ/真赤な捏造だらけの、前代未聞の“間違い花が満開の嘘のデパート”であること。第二は、西尾幹二が、この“間違い花が満開の嘘のデパート”である自分のトンデモ論稿にいつも恍惚として反省しないこと。このため、私は『撃論』第三号に、多忙を無理して「《脱原発》を叫ぶ“福島瑞穂のペット”西尾幹二」を書き(2011年8月)、危険な“赤旗と黒旗の雑種”西尾論稿を批評クリティークした。

 しかし、当『撃論』原稿は、一冊の単行本ではなく、短い雑誌論稿だから舌足らずで、重要な学術的知見をことごとく割愛した。これから約十回にわたって、この割愛部分を補足する。原発に関する基礎知見を読者に啓蒙したいとも考えるからである。

 また、これによって、『WiLL』誌での杜撰と虚偽の「西尾《脱原発》煽動論考」が、いかに日本国にとって危険なものか/いかに北朝鮮系の極左反日」アジプロ論稿であるか等を、良識ある日本国民が一望できるよう白日の下に晒しておきたいからだ。

 まず、『撃論』第三号92頁の一文(囲み□の部分)を補足することから始めよう。

この引用部分が、米国の“核の傘”から離脱しても日本国防に絶大な力を発揮すると称する、“スーパー軍事音痴”伊藤貫の日本核武装の骨子である。“矯激な反米屋”伊藤貫の、これほどの非現実的な妄想を、「日本を永続させる最高の国防政策」だと手離しで称讃するのが、“大嘘つき評論家”西尾幹二である。西尾と伊藤は、「反米」を売り物にトンデモ雑文を垂れ流す“悪の国賊コンビ”である。

【一】“嘘八百の摩天楼”伊藤貫著『中国の核戦力に日本は屈服する』は、お笑い芸人のパロディ以下だが、日本国を破滅させる危険絶大な反・国防で、国家永続の国益を毀損する「反日」本

 伊藤貫著『中国の核戦力に日本は屈服する』小学館新書)は、核兵器の最小限の学的知見を研鑽することすら全く不可能な職業“経営コンサルタント”で生活する伊藤貫が、西尾幹二と同種の無知を恥じない情報犯罪の異常人格者で、大法螺吹きの虚言癖のペテン言論である事を自ら暴くもの。例えば、次の伊藤貫の主張は、この事実の端的な証明である。

(私が唱導する、米国の核戦力から独立した日本の)自主的核抑止力とは、潜水艦(約三十隻)をベースとする核弾頭つき巡航ミサイルを2~300基配備することである」

「海中に配置しておく日本の巡航核ミサイルは、常に広範囲な海域を移動しているから、敵国からのサプライズ・アタックによって一挙に破壊されてしまうことはない」(106~7頁)。

 まさに“スーパー軍事音痴”を自ら白状したキワモノ言説。“偽物ブランドばかりを売る 中共デパート”の贋作売り場を髣髴とさせる。伊藤貫は、知識ゼロを恥じず妄想だけで書きまくる「無恥の驕慢」競争があれば、間違いなく、金メダルを西尾幹二と「日本一」を争う。

伊藤貫の真赤な嘘の第一;

 日本の核巡航ミサイル搭載潜水艦には、一隻ごと、ロシア/中国の攻撃型原子力潜水艦が常時24時間、側にぴったりと張り付く。中国・ロシアの沿岸であれば、これに駆逐艦が加わり常時張り付く。日本が自国の核巡航ミサイル搭載潜水艦を一隻ごと完全に護衛する強力な海軍力を展開できないならば、これらは有事勃発と同時に確度百%で全艦撃沈される。

 このように、「一挙に全艦が破壊されてしまう」現実を、伊藤貫は「一挙に破壊されてしまうことはない」と、逆さに大妄想している。“嘘つき”伊藤貫の詐欺師的妄言の害毒は、かくの如し。また、日本の核巡航ミサイル搭載潜水艦を撃沈せんとする敵の潜水艦態勢に対しては、日本側も常時一隻ごと監視しているので、「サプライズ・アタック 奇襲」は存在しない。  

 要するに、伊藤貫は、核保有国の核搭載艦の防御・攻撃の現実を全く知らない。核兵器のイロハも潜水艦戦 submarine warfareの実態も知らないズブの素人が、「核搭載潜水艦…」などと口にすべきではない。米国は、対ロ/対中では圧倒的な海軍力を誇り、有事勃発とともにグアム以東の太平洋に出撃してくる露中の潜水艦を一隻洩らさず、可及速やかに撃沈する軍事態勢網を整備している。米国は平時にも露中の潜水艦すべての位置を一隻ごと24時間、一瞬の空隙もなく確定している。

伊藤貫の真赤な嘘の第二;

 伊藤は、日本製巡航ミサイルの「射程距離」を書いていない。射程が定かでないミサイルなど、そもそも議論が成り立たない。1500㎞と4000kmとでは、それを搭載する潜水艦を遊弋させる海域が異なる。射程1500㎞ならば、この日本潜水艦は中国の沿岸部にいるので、いとも簡単に、張り付いている中国側の一隻以上の駆逐艦と一隻の潜水艦が、有事勃発の直前、猛襲する。伊藤貫が妄想する「日本の核巡航ミサイル搭載潜水艦」はその核巡航ミサイルを発射する前には、確実に海の藻屑と消えている。

 また、すべての核兵器は、標的を指定されて設計される。だが、伊藤貫の本には、この標的が無い。本のタイトルからして伊藤貫は対中ミサイルで対露ミサイルではないようだが、この日本製巡航ミサイル北京や上海の都市を攻撃するのか、それとも、通化や石台などの対日核弾道ミサイル基地を攻撃するのか、この言及がない。つまり、設計そのものが全くできない。

伊藤貫の真赤な嘘の第三;

 巡航ミサイルは射程4000㎞が限度で、それ以上の長距離は原理的に作れない。弾道ミサイルなら1万㎞以上を飛翔できるものがつくれるが、巡航ミサイルは技術的に不可能。ここでは仮に4000㎞としておく。

 だが、速度が対地速度で時速二万㎞以上の弾道ミサイルとは異なり、巡航ミサイルの時速はせいぜい八百㎞程度。4000㎞先の標的を狙う場合は、5時間も飛翔する(弾道ミサイルなら15分前後)。この飛翔中、中国の偵察衛星で完全に偵察追跡されているから、標的に近づくと中国の数機の迎撃戦闘機から空対空ミサイルを数基以上が必ず集中的にぶち込まれて、必殺必中に撃ち落される。中国の敵目標に着弾することは万が一にもありえない。

 巡航ミサイルとは無人航空機であって、空気が無いところでは航行できない。宇宙空間を飛翔できない。つまり、高度が数十㍍の超低空でない限り、レーダー網に捕捉され撃墜される。なお、米国のトマホーク巡航ミサイルは想像を超える超低空で航行でき、また航行コースを頻繁に変えるので、露中のレーダー網を突破できる。

 敵目標に着弾する前に確実に撃ち落される核兵器なら“核抑止力が全く無い”。それを伊藤貫は、「日本の自主的核抑止力だ」と、嘘つき詐欺師特有の真赤な大法螺を吹く。

伊藤貫の真赤な嘘の第四;

 伊藤貫は、「潜水艦三十隻を遊弋させる」とする。だが、この潜水艦がディーゼル型なのか、原子力推進なのか、明記していない。核ミサイル搭載専用潜水艦なら、常識的には、原子力潜水艦だろうが、日本にはこれを建造する技術が無い。原子力潜水艦の原子炉が作れないからだ。  

 また、原子力潜水艦を三十隻も常時展開するためには、点検整備のローテーションを考えると三十七隻ほどを製造生産する必要がある。が、そのような予算はどう捻出するのか。軍備に関し提案する場合は、予算捻出の財源には言及できなくとも、その生産コストについては概算で必ず提示しなければならない。少なくとも質問されれば即座に答えるレベルでの、コスト研究はしておかねばならない。

 だが、伊藤貫の本にはこれがいっさい無い。むろん伊藤貫には、兵器生産コストを計算する知見などいっさいない。

伊藤貫の真赤な嘘の第五;

 伊藤貫の「巡航ミサイル2~300基に潜水艦が三十隻」とは、「専用原子力潜水艦一隻あたり、巡航ミサイル7基から10基を搭載させる」との構想になる。“馬鹿アホ間抜け”とか“ペテン師”とかは、伊藤貫を指すための学術的な専門用語である。何故なら、少なくとも伊藤貫に関する限り、学的に正確な表現だからである。

 「巡航ミサイル300基」なら、全300基すべてが通常型潜水艦一隻に搭載できる。原子力潜水艦なら、300基積んでも潜水艦の中はスカスカ。「一隻あたり7基から10基の巡航ミサイル」とは、これら潜水艦をほぼガランドウの空洞で遊弋させることになるが、伊藤貫はどんな軍事合理性を研究して、この構想に辿り着いたのか。

 積荷なしの大型トレーラーのようなスカスカのガランドウ潜水艦を三十隻も展開する理由はむろん、伊藤貫は、自分の構想の軍事合理性を説明する責任がある。が、西尾幹二と同種の“大衆煽動を職業とする大嘘つきペテン師”伊藤貫は、この説明ができない。狂妄な詐言師の伊藤貫は、佐村河内守氏と同じく、このトンデモ著を絶版にして社会的責任をとるべきである。

 西尾幹二が伊藤貫に傾倒するのは、①共に大嘘つき、②共にデタラメ論考を垂れ流す、③共に妄想において自分を大専門家かに自惚れるなど、数々の反社会的行動と狂気が共通するからだ。同類の情報犯罪者同士の共鳴・共振が、両名をカップリングさせている。

 さて、話を戻す。巡航ミサイルは、弾道ミサイルと異なり極めて小さい。射出は魚雷発射菅を用いる。米国は、1980年代、その攻撃型原子力潜水艦にことごとく核巡航ミサイルを搭載したが、これらの潜水艦は巡航ミサイル専用艦ではない。

 SLBM弾道ミサイルの場合は、ミサイル自体が巨大だし、発射管制システムやその他の施設にかなりのスペースが必要となるので、専用艦でなくてはならない。SLBM弾道ミサイルをダンプカーとすれば、ミニ・バイク以下の巡航ミサイルには専用潜水艦など不必要。発射システムやその他の附帯設備は、弾道ミサイルのそれに比すれば無きに等しい。  

 伊藤貫が、デタラメ核武装論を無知丸出しの“口から出任せ・嘘八百”で書いた事は、このように明らか。そして、伊藤貫の日本核武装が“口から出任せ・嘘八百”な事実を見抜けない男が、虚言症を病み無知・無学をきわめる“売文専業のペテン師評論家”西尾幹二

【二】 西尾幹二と伊藤貫は、〈反米〉を売り物にトンデモ雑文を垂れ流す“悪の国賊コンビ”

 西尾幹二/伊藤貫の「反米」コンビは、前述のごとく、怪奇漫画すら顔負けの奇天烈キワモ ノ核武装論を吹聴している。西尾幹二と伊藤貫という、二人のペテン師評論家が仲良く吹く“悪魔のハーメルンの笛”に魂と知を奪われれば、日本は確実に、国家安全保障を根底から全面破壊され、“最悪事態”に直行する。この事実において、日本国の安全を危殆に瀕せしめる西尾幹二と伊藤貫の両名を“悪の国賊コンビ”だと客観的に把握できない者は、健全な日本国民ではない。

1、そもそも西尾幹二とは、主義主張をカメレオンのごとくクルクル変更する、低級な大衆読者の人気がすべてで、学問や真実を憎悪するニーチェ系“反・知”の、ひたすら無責任な言動に生きる狡猾な売文専業評論家である。西尾幹二が、日本核武装を主張すれば“手っ取り早く愛国者演技ができる”“保守を擬装できる”と考えたのは、商売で評論を書きまくる西尾幹二流の読者騙し術が非凡である証左であろう。

2、だが、核武装は、国防力向上と国防の自滅のどちらに傾くかわからない、危険なヤヌスの顔をもち、諸刃の剣というべき特殊な軍事力である。これ故に、軍事弱小国にとって、核武装アポリア的ジレンマとなる。だが西尾幹二は、深刻で絶望的な日本核武装のジレンマに頭を悩ますこともしない。西尾幹二は、“ズブの素人”故に結果的に、“間違いだらけ&反・国益だらけのトンデモ論考”を書いたのではない。日本核武装を、無責任というより戯言レベルで茶化してみたいと、狂った情念を爆発させて『WiLL』誌の論考を執筆した。

 そもそも、核武装に関して極度な無知無学である自らを恥じることもなく、西尾幹二が日本核武装のラッパを高らかに吹くこと自体、常識的には笑止で、お笑い芸人の“お笑い”の範疇のもの。だが、学問などしたことのない、良心をいっさいもたない西尾幹二は、読者を騙す洗脳能力をもつ自分の文才への過剰自信において、また“天性のペテン師評論家”の性(さが)において、伊藤貫のデタラメ本一冊を用い、そのデタラメを二乗/三乗させた超デタラメ日本核武装を、高らかに西尾流トランペットで吹いたのである。

3、伊藤貫のデタラメ本一冊しか読まずに、核武装論を吹く西尾幹二の、読者騙し文才は天才級

 西尾幹二の当該エセーとは、日本核武装に関して“知識まったくゼロ”を恥じることなく、「オレ様は何でも知っている神様なのだ」とばかり、永年アメリカに在住するビジネスマン経営コンサルタント、自称)(工学部卒ではない、東大経済学部卒。巷間では学歴詐称説が根強い)伊藤貫のデタラメ著作『中国の核戦力に日本は屈服する』一冊の“受け売り”で書きなぐった“キワモノ中のキワモノ論考”。

 しかも、核兵器核武装問題にチンプンカンプンの“ドイツ語翻訳家”西尾幹二が読んだ本は、これ以外には一冊もない。ところが、西尾幹二は、この一冊以外に、さも多くの書籍や論文をさも読んだかに真赤な嘘を捏造して主張する。西尾幹二の前例のない虚言癖は、“ロス疑惑朝鮮人三浦和義に優り、ペテン師作曲家の佐村河内守氏の虚言が小さく見える。「俺様は核武装論を伊藤貫以外にもたくさん読んだぞ」と真赤な噓を言い張る西尾幹二とは、どこから見ても“稀代の虚言癖病の大嘘つき”である。

 どんな素人でも、もし日本核武装を真剣に興味をもつ日本人は、必ず日本のトップ専門家で当該分野の唯一の専門家である中川八洋の、そのかなりの数の著作や学術論文を集めて、まずはその精読から始める。例外は一人もいない。

 また、諸外国の政府機関で、日本の核武装の動向を調査するに際して、真っ先に中川八洋著作が分析される。これが現実である。

(備考)例えば米国政府では、中川八洋核兵器核戦略理論・核軍備管理論等の各関連分野の論文・著作は、すべて国務省が翻訳し、国防総省・CIA等の米国の政府機関内に限って自由に閲覧に供されている、と聞く。

 とすれば、当該西尾幹二論稿において、中川八洋著作からの引用がゼロの事実は、何を物語るか。この重大で最重要な事実は、“ニ―チェ翻訳のドイツ語屋”にすぎない 西尾幹二が、(当該分野での)無学・無教養・無知識すら自覚せず、人間がもつべき最低限の良心も謙抑心も有せず、恥知らず一辺倒主義において、デタラメ満載の“ウルトラお粗末”核武装エセーを書いた証左である。

【三】 日本核武装のイロハ的基礎知識を、日本国唯一人の専門家・中川八洋の青年期に学ぶ

1、中川八洋核兵器核戦略の研究を開始したのは一九六五年、東京大学工学部航空学科宇宙工学コースの三年次で二十歳であった。最初の研究は、大型ICBMに複数の核弾頭を搭載し、最終段ロケットから切り離された後、これらの核弾頭をそれぞれ少しづつ時間差を与えて台座から切り離すことにし、また超小型ロケットをこの台座に取り付け噴射させ自由落下軌道を飛翔する各核弾頭の軌道をかすかに変更し、敵の迎撃弾道ミサイルが宇宙空間で爆発させる小型水爆の爆風域から逸らせ(備考)、発射時に設定された敵の標的に着弾させるまでの最適軌道を算出する数学的方法の予備的研究であった。

(備考)1960~70年代、敵弾道ミサイルに対する迎撃ミサイルは、1980年代以降の非核・機械力のものとは異なって、宇宙空間で超小型水爆を爆発させ、その爆風で敵弾頭を破壊する方式。1980年代以降は、着弾に向かう敵弾頭の最終飛翔軌道が高精度に推算できるので、宇宙空間&成層圏内で非核でも破壊する方法が可能になり、かつての宇宙空間に放射能残留する水爆迎撃方式は完全に捨てられた。

2、次に私中川八洋は、日本核武装のうち投射手段に関する研究を、1960年代末に始めた。最初のそれは、インド洋にソ連海軍が展開していない軍事態勢を活用し、恩師の一人である糸川英夫先生がL(ラムダ)ロケットの後継に構想されていたM(ミュー)ロケットを軍事転用し、その改造型を潜水艦発射SLBMにすることを研究した。日本が所有する、(構想・研究上の)SLBM潜水艦の護衛は、日本の海上自衛隊ではできないので、インド洋に展開する英国東洋(極東)艦隊に依頼すべく、英国との間で新しい日英同盟を締結する外交交渉の研究も含まれていた。 が、1971年、英国は財政難から東洋艦隊を閉鎖することとなり、同時にソ連海軍がインド洋に出没し、インド洋を日本製SLBM発射域とする道は途絶えた。それは同時に、米国がインド洋に限ってのみ嫌々ながら了解する、日本のSLBM潜水艦方式の日本核武装の葬送であった。

3、このように、日本核武装の一分野である、投射手段とその配備・展開地(域)問題は、解決の糸口が見つからないほどアポリアである。が、核弾頭開発はもっと難題で、研究すればするほど、ただただ絶望に襲われる。

 まず、核実験場が無い日本としては、核実験が不要のU235原爆を造るほかないが、このウランは日本列島中を掘り返しても、ミニ原爆(13・5kt)の広島型原爆二ヶぶんしかない。原爆用の充分な天然ウランを入手するためには、輸出してくれる資源国の(日本核武装への)事前了解が必要である。天然ウランの輸出国と輸入側・日本との協定には、必ずIAEAの査察が明記される。このような協定は実にやっかいで、核武装を困難以上の状態にする。尚、当時の私は、具体的にはアフリカのマリ共和国から核武装用の天然ウランを輸入することを研究した。

(備考)IAEAの査察問題もこれあり、IAEA加盟は何ら障碍にはならないが、五大国以外の核武装を禁止するNPT条約加盟だけは絶対に阻止する必要があり、私は1969年、佐藤政権のNPT条約調印(1970年2月)を阻止すべく、永田町の国会議員の間を駆けめぐったが、まだ若く影響力は全くゼロだった。三木武夫首相主導の批准(1976年6月)に際しては、米国スタンフォード大学に留学中で、1970年4月からかなりの数の国会議員を糾合して作っていた“NPT条約批准阻止永田町グループ”を稼動できず、徒手空拳に終わり、無念の涙を飲んだ。

4、この天然ウランのうちU235を95%以上に濃縮する必要があるが、その濃縮工場を持たない日本は、米国などに委託するほかない。この時点で、日本の核兵器は米国と二重鍵でない限り、製造できない。(日米間「核シェアリング」の一形態である)二重鍵問題は、別の理由からもそうせざるを得ないし、望ましい部分もあるので、積極的に受け入れる方が日本の得策と考えられる。つまり、米国との二重鍵問題だけは日本核武装の障碍リストには入らない。難題は、仮に二重鍵であっても米国が、日本核武装を容認するか否か、さらにはそれに協力するか否かである(備考)。

(備考)1970年代末から1980年代初頭にかけ、私は米国国務省国防総省の当該問題の関係者と私的な意見交換を精力的に行った。米国を説得できるのは自分しかないと確信したし、日本の国防問題に関心がある米国政府の官僚・軍人もそう考えていた。

5、米国の協力下での日本核武装である以上、日本の領域から米国に届く「長距離」ミサイルは初めから選択肢としてありえない。「中距離」に限定される。自ずから、地上配備の中距離弾道ミサイルか、地上配備の(中距離しか飛翔できない)巡航ミサイル。または、海中・海上発射型の巡航ミサイルとなる。

 前者の配備場所の候補は、対中国用で言えば、核巡航ミサイルは沖縄、核弾道ミサイルは四国ぐらいしかない。だが、地元が納得するだろうか。「非核三原則」を振り回し米国の核兵器すら配備させなかった一九七二年からすでに四十年。「非核」は今、日本人の間で、「常識」で「習慣」となっている。日本製核ミサイルの地上配備に当たって、地元を納得させる事は困難以上で、ほぼ不可能に近い。

 海中・海上発射型核巡航ミサイルの場合、その護衛のため日本が保有すべき海軍力は、いかなる規模のロシア海軍/中国海軍の奇襲・猛襲があっても、敵艦すべてを瞬時に撃破できる強力なものでなくてならず、「大型空母は数隻、攻撃型原子力潜水艦は十隻以上」は最小限。だが、核武装と同時に、海自の海軍力を一気に十倍以上にする海軍力大増強の財政的決意が、日本の国民全体に漲っているだろうか。

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