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中川八洋掲示板

世界の現状は、日本の国家安全保障の危機を加速しています。この急迫の時局において、刻々と変遷激しい国内外の事態を冷静に俯瞰できる力を与えてくれる、大容量の真正の知識こそ、いまの日本人に必要なものです。当ブログは、国際政治学者・中川八洋筑波大学名誉教授の個人ブログです。

安倍晋三総理よ、八月九日を“対ロ<国恥>記念日”と定め、政府主催の“満洲・樺太犠牲者追悼式典”を留萌で盛大に挙行せよ。この日、日本国民すべては、満洲と樺太の二方角に追悼の黙祷を捧げようではないか

筑波大学名誉教授   中 川 八 洋

 

 新ロシア帝国の初代皇帝プーチンは、ついに、ソ連時代の復活を髣髴とさせる対米・対西欧・対世界を威嚇する大規模な軍事パレードを再開した。「対独戦勝70周年記念式典」に便乗して、新ロシア帝国の軍事力誇示を、2015年5月9日、ソ連時代の名称がそのまま残る「赤の広場」で挙行した。

新型ICBM「ヤルス」、新型短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」──核戦力増強に余念のない新ロシア帝国

 軍事パレードに投入された兵力は、地上軍兵力の将兵一万六千人以上だけではない。軍事力の精鋭化を見せつけるべく、無人砲塔を遠隔操作できる新型戦車「アルマタ」、長距離爆撃機「ツポレフ160M」「ツポレフ95M」や中距離爆撃機「ツポレフ22M3」などを登場させ、本格的な“軍事大国ロシアの復活”を世界に印象付けるに、充分な効果をあげた。

 そればかりか、新型のICBM「ヤルス」(注1)や新型の短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」など、核戦力の実質的な大増強にも全力投球している。核の廃絶をキャンペーンする朝日新聞は、このロシアを一度も批判したことが無い。つまり、朝日新聞は、ロシアの核戦力を増強させ、米国の核兵器を廃絶させて、ロシアの世界征服の野望に協力している戦争主義/侵略主義を社是としている。“新ロシア帝国の東京支局”朝日新聞は、英米と反共の蒋介石に対する大東亜戦争スターリンの命令に従って煽動した戦争新聞だったが、今日も、七~八十年前と同じく戦争新聞である。

 このように、プーチンが2011年から全力投入してきた兵器近代化政策は、たった五年間でもこれだけの大成果を上げたのである。これからさらに五年経てば、どんな強大な軍事大国ロシアが現れるか、ゾッとするレベルが想像される。

 なお、プーチンの「兵器近代化十年プロジェクト」(2011~2020年)は表向きだけで(少なく見せる操作数字で)「52兆円(20兆ルーブル」である。購買力平価や人件費などを考慮すると、日本の150兆円(一年あたり十五兆円)に相当する。つまり、新ロシア帝国は、兵器近代化だけで、日本の防衛予算の三倍を投入している。日本の亡国が近いのは、これだけでも、簡単明瞭に証明されていよう。

 1991年12月25日、ソ連邦(ソヴィエト・ロシア)が崩壊した時、私は、日本人はこれに安心・油断するから日本では国中に共産主義が蔓延するのは必定。ならば、ロシア帝国が復活する二十年後(2011年)までの二十年間、日本に蔓延するであろう“多民族共生策=出生率大低下促進策”“フェミニズムによる日本民族の伝統・慣習の破壊”“ルソー的平等主義の跳梁跋扈”に対処する滅菌消毒の方策としてのバーク保守主義の哲学を日本に広めようと考えた。

 同時に、二十年間の歳月を経た2011年時点になって、「新ロシア帝国が復活したぞ! 日本も急ぎ国防を最優先せよ!」と叫んでも、平和が永遠に続くと錯覚する日本人はさらに精神の堕落と腐敗を色濃くしているだろうから、ロシア脅威の警告を発信する啓蒙書の出版は不可能かもしれないと思い、直ちに1991年12月25日から書き始め1992年3月末に上梓したのが『蘇えるロシア帝国―戦争の21世紀学習研究社であった。つまり『蘇えるロシア帝国』は、2011/2年の出版想定での著作

 二十年後のロシアを見事に正確に予見しえたこの書は、細かな点にはさまざまに違いがあるが、ロシアの軍事脅威が目前に迫ってきた2015年時点現在の日本を覚醒させる書として、“危険な新ロシア帝国の根幹的本性”につき、この本以上に的確に警告しえた書はないと自負している。

迫るロシアの脅威を、堕落し腐敗きわめる今日の日本国民に覚醒させるには、まずは“ロシアの蛮行の歴史”を国民あげて再認識し、次に「国土を再びロシア軍に蹂躙させてはならぬ」と対ロ国防の決意を新たにすること。

 今、日本では隣国からの内政干渉もあって、安倍晋三の「総理談話」が問題化して、不必要にも大きな政治的イッシューになってしまった。安倍の「総理談話」は、どんなに早くとも七十年前の九月二日、東京湾上の戦艦ミズーリー号甲板での日本の降伏調印の日か、それ以降に遅らせる必要がある。

 少なくとも、プーチンも出席する中共習近平が開催する「反ファッシズム・抗日戦争勝利七十周年」の記念行事(北京)の後に遅らせ、これを全面的に否定する「安倍談話」でなくてはならない。日本は蒋介石の国民党政府と戦争したのであり、“スーパー・ファッシスト”毛沢東中国共産党紅軍とは戦争などいっさいしていない。ファッシスト習近平が「反ファッシズム」とは、片腹痛い。この問題、七月頃に改めて論じるので、今はこれでおしまい。

 歴史は、未だ見ることのできない暗闇の未来の情況を手探りできるぐらいにうす暗く照らしてくれるサーチライトである。歴史こそ、どんな国であれ、未来に進む安全で適切な道をぼんやりではあるが照らしてくれるただ一つの叡智である。

 しかし、日本のマスメディア、とりわけ朝日新聞は、歴史といえば、鸚鵡返しに「お詫び」とか「侵略」とかの経文刷り込みに全力をあげるばかり。こんな奇天烈キャンペーンには、当然、他意が秘められている。

 「お詫び」「侵略」は、「南無阿弥陀仏」などの経文と同じタイプの呪文だから、思考を不要とする。呪文を唱えることで事足れりとすれば、歴史を深く考察する思考と知力は麻痺して溶解的に消えてしまう。つまり、非日本人しかいない朝日新聞や、あくどさ一辺倒の侵略民族・漢族の赤い支那という隣国・中共は、日本国民から歴史事実を深く省察する“歴史に学ぶ”知性を剥奪せんとしている。端的に言えば、中共は、日本人全員を歴史のない記憶喪失症に改造しようとしている。朝日新聞は、中共の在日拡声器である。

 話をロシアに戻す。人間が真に人間でありうるのは、歴史の省察を欠かさない場合に限られる。また、未来への国家の歩む道を脚下照顧する歴史事実を反芻する知的作業を義務と考える者に限られる。七十年前を日本人が思い起こすならば、ロシアが日本を侵略し、日本人の多くがロシア人の蛮行に殺害された歴史が、その筆頭でなくてはならない。主たる具体的な歴史は、最低でも四つある。

 

一、日ソ中立条約に違背して1945年8月9日の未明、ロシアは、怒涛の勢いで、満洲樺太と国後・択捉・千島列島クリル諸島朝鮮半島北部に侵略したこと。そしてロシアは、未だにこれを詫びもしなければ謝罪もしないこと。

二、婦女子への無制限なレイプと殺害、邦人への無制限の略奪など、満洲・朝鮮北部・樺太でなしたロシア人の残虐非道な蛮行。満洲だけで、日本人婦女子20万人を殺害。(備考)朝鮮半島北部での日本人婦女子殺害数は、データをまだ集めていない。

三、日本人男児のシベリアへの拉致・強制労働・洗脳の抑留は、105万人。そのうち、凍死・餓死を含む殺戮・処刑された数は40~50万人(注2)。

四、樺太から日本本土に引き揚げる主に婦女子を乗せた引揚船三船を、1945年8月22日未明、北海道留萌沖で、ロシア潜水艦が面白がって魚雷攻撃した。これによって小笠原丸は瞬時に沈没、第二振興丸は大破しつつ留萌港に接岸、泰東丸は沈没。これら三船合計で、乗客・乗員5082名中、生存は3219名だから、1863名がロシアに国際法違反の犯罪において殺害された(注3)。8月22日は、ポツダム停戦の十五日を過ぎること七日目である。

 

 この四番目の件で話を脱線する。靖国神社には、沖縄の学童疎開に向かう子供達を乗せた「対馬丸」が、1944年8月22日、つまりまだ後一年もつづく大東亜戦争の酣、米国の潜水艦の魚雷にて撃沈され、多くが児童の1688名(1864名説あり)のうち1476名(生存児童は59名)が死亡したが、これらが「英霊」として祀られている。だが、「対馬丸」は民間船舶ではなく軍に徴用された兵員輸送船であった。兵員輸送船の一隻が、戦争中・戦闘中に撃沈されたのである。一方、留萌沖でロシア潜水艦に撃沈された三船は、ポツダム宣言受諾後の停戦中で、引揚船なのはロシア側も知っていた。

 靖国神社が、ロシアに殺された日本人は「英霊」でなく、米国に殺されたら「英霊」にするダブル・スタンダードは、偶然の産物ではない。昭和天皇暗殺教団のメンバーだった“皇国史観松平永芳の断固たる方針で、同じ日本人死者に対するこの差別が実行されたためである。共産党が「満洲やシベリアでロシアに殺された日本人約70万人は、人間ではなく路傍の石ころに扱え!」としたが、宮司松平永芳もまた共産党員と同じ悪魔的な人格の持ち主。

 さて、話を戦後七十周年に当たって、敗戦国・日本はどうすべきかに、戻そう。

 この方策は、何にも難しいことはなく、上記一~四の歴史を粛々と踏まえること。共産党支配の現代史学界からも、共産党支配の『朝日新聞』等の日本のマスメディアからも見放されて、ほとんど追悼されることもない、これらの野蛮と侵略しかしないロシアの殉難者70~80万人を政府が弔う事、これこそが日本国民が真正の人間として倫理道徳に適う行為である。

ロシアは戦意昂揚する道徳国家・日本なら、北方領土を無条件で返還する

 安倍総理よ、来る八月九日を、“対ロ<国恥>記念日”に定めよ。そして、政府主催の大掛かりな式典を挙行して頂きたい。むろん、その場所は北海道の留萌市で、海の見える丘。そして、この式典中、式典には参列しない日本全土の日本国民は一丸となって、満洲やシベリアや樺太に向かって、黙祷を捧げようはないか。

 ロシアに殺害された同胞を悼まないような国家に、ロシアは北方領土を返さない。敵意・戦意を漲らせる“力”ある国家には、ロシア民族はおのずからたじろぎ、自ら妥協する。国後・択捉島など瞬時に無条件で返還する。ロシアとの外交交渉は逆効果。

 コミュニスト近衛文麿の日本共産化/アジア共産化の狂気の犠牲となった、無辜の祖先の悲劇的な殉難に涙する倫理道徳行為はまた、強大な侵略民族・ロシアに対して無言の圧力をかけ、祖先から相続したわが固有の領土の奪還にも一直線につながっているのである。(5月10日記)

 

1、ロシア新型ICBM「ヤルス」;RS-24、「トーポリM(SS-27)」の改良型、5~6ヶの多弾頭、MD網を突破できる終末段階での弾頭軌道変更操作が可能。

2、阿部軍治『シベリア強制抑留の実態』、彩流社、2005年。戦後六十年も経ってから、この本で初めてシベリアでの殺害された日本人男児数が推定された。シベリア抑留数・殺害数すべてをソ連と共謀して虚偽数に捏造した男が、厚生省引揚援護局次長の美山要蔵(最終軍歴は、陸軍省官房長/陸軍大佐)である。

3、樺太終戦史刊行会編『樺太終戦史』、三三五~四六頁、非売品。

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