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中川八洋掲示板

世界の現状は、日本の国家安全保障の危機を加速しています。この急迫の時局において、刻々と変遷激しい国内外の事態を冷静に俯瞰できる力を与えてくれる、大容量の真正の知識こそ、いまの日本人に必要なものです。当ブログは、国際政治学者・中川八洋筑波大学名誉教授の個人ブログです。

「出生率4・0」にせずば、日本滅亡は2045年か──日本国を亡ぼす極左ドグマの寛容は、祖国廃滅の犯罪

筑波大学名誉教授   中 川 八 洋

歴史をいっさい学ばない“動物化した日本人”

 歴史は人類の叡智の宝庫である。歴史に学ばないとすれば、いかなる国家も、叡智という羅針盤なしに、嵐の荒海に漕ぎ進まなければならない。その行く手は確実なる遭難であり、死路となるのを避けられない。

 まさしく歴史に学ぶことは、未来という真っ暗な闇を照らすただ一つのサーチライトである。だが、大正時代よりこの方、およそここ百年にわたって、日本は歴史に学ぶことをしなくなった。日本は、歴史を排斥し過去を断罪し、未来に向かって「歴史の法則」に従えばユートピアにたどり着くとの“麻薬”、社会主義思想マルクス主義)を過剰吸引し狂ってしまった。

 百年を経てもなお歴史を復権しない日本とは、言うならば、過去を切断し歴史を排斥する歴史排斥病の重病人。しかし、ヘーゲル/コント/ミル/マルクスらの、反・歴史の「歴史主義」のドグマ(備考)にどっぷりと汚染されて、歴史の否定ではないかに逆さ誤解をして、日本人は、歴史をますます排斥してきた。

(備考)ポパーは「歴史主義」に「historicism」を造語した。ポパー著『歴史主義の貧困』参照。「歴史主義」とは歴史破壊の“反・歴史”であることが、実に鋭く剔抉されている。

 真理「過去を失えば、未来を失う」も、真理「歴史のみが安全に未来に導く海図である」も、今や、日本人の思考から消えた。日本人の思惟も知識も知性を逆流させており、“知の腐敗”よりはるかに深刻度がひどい“知の空洞”が、日本民族の特性となった。端的に言えば、日本人は動物化した。動物には、歴史はない。

ローマ帝国の滅亡は、日本にとっての近未来の現実

 財布の中に一円玉すらないような、深遠な智慧を授ける潤沢な歴史知見を喪失した民族となったが故に、「現在の日本とは、滅亡直前のローマ帝国を再現している」と正しく認識できる日本人は今や一人もいない。ローマ帝国の滅亡過程と現在の日本がこれほど一致する歴史の偶然にはただただ驚愕する。が、この一致は、偶然であれ、事実である。「現在の日本とは、滅亡直前のローマ帝国を再現している」偶然は、日本が日本自身を救うべく、神仏が日本人に賜われた“神の見えない手”である。  

 ローマ帝国が滅亡した最後のとどめは、北方の蛮族の侵略によってではない。ローマ帝国自身の国策によってである。とりわけ、「カラカラ浴場」で有名なカラカラ帝こそ、ローマ帝国を滅ぼす道筋をつくった筆頭だろう。  

 カラカラ帝(在位は、紀元後二一一~七年)は、二一二年、帝国内のすべての自由人にローマ市民権(国籍)を与えた。「自由人」とは、「奴隷でない人」のこと。これは、ローマ建国時の祖先をもつローマ人と、新しく帝国植民地となった属州の非ローマ人の区別(巨大な垣根)を取っ払ったことになる。ローマ人と非ローマ人との間のこの平等化は、一気にローマ帝国の国防力を弱体化した。

 なぜなら、辺境の国境でのローマ軍は、市民権欲しさの属州自由民が主力であった。彼らは、もはや軍隊に入る必要は無くなり、ローマ軍は優秀な兵士の数に事欠くようになった。しかも、これら属州自由民は中産階級出で戦意も高かったが、代わりに入隊して来た下層民のナラズモノたちは、戦意も戦闘能力も水準以下で、ローマ軍の質的低下は、眼を覆う惨状を呈するようになった。

 カラカラ帝による革命的な「国籍」バラマキ策は、税収相続税の増加が主目的で、国防の軽視はなはだしいものだった。そしてこの増税は、自己への忠誠心を買うための軍隊へのバラマキに浪費された。それはまた、軍隊の精神における堕落つまり“国防精神の溶解”をもたらし、その結果、必然的に国防力の低下を促進した。これに属州自由民の軍隊志願者の激減が拍車をかけた。ローマ帝国は、カラカラ帝が、没落へと舵を切ったのである。

 一度に千五百名が利用できる巨大で贅を尽くした「カラカラ浴場」を例に挙げるまでもなく、カラカラ帝は、国富蕩尽の愚行を対軍隊だけでなく、国全体においても止めることはなかった。「カラカラ浴場」の遺跡を見ると、ローマ帝国滅亡への始まりとして感興ひとしおである。

ローマ帝国滅亡の歴史から、日本が学ぶ四つの教訓  

 ローマ帝国が四七六年に滅んだ理由を、歴史に疎い日本人は、北方ゲルマンの蛮族の侵略で滅んだと短絡する。なぜ、ローマ帝国ほどの富がありながら、それら蛮族の侵略を排除する軍事力を欠くようになっていたのかの問題こそ、因果関係で言えば後ではなく先で、原因ではないか。  

 ともかく、ローマ帝国滅亡の原因は、ギボンとは少し異なるが、次の四つ。

 第一は、「国防第一主義」政策の軽視もしくは無視。  

 第二は、「パンとサーカス(剣闘士奴隷を使った見世物)」の過剰福祉による国富蕩尽。  

 第三は、性的快楽に耽溺し生殖・育児を放棄し、ローマ人の出生率の大低下による属州自由民への国籍バラマキ、つづく蛮族の帝国内居住容認など、“ローマ人のローマ人によるローマ帝国”の自己否定と放棄。  

 第四は、祖先への崇敬、伝統継承への責任意識など、一般通念上の“正しき愛国心” を破壊した外来カルト宗教(祖国破壊のイデオロギーの隆盛跋扈と容認。

 このローマ帝国滅亡の四大原因は、そっくり現在の日本に当て嵌まる。日本は、① 国防軽視主義を墨守し、②過剰「福祉国家」主義を神格かのように信奉し、③民族滅亡に直結する「出生率大低下」問題を五文字魔語「少子化社会」のイルージョンで消してしまう“出生率低下の自然加速”を一九八九年以来すでに二十五年間も不作為の国策とし、加えて④祖国の悠久なる存続を腐蝕・破壊する“悪魔のイデオロギー祖国滅亡教の蔓延助長までしてきた。  

 すなわち、この四つの狂った逆走国策を一八〇度逆に反転させないとすれば、日本国は百%の確度で亡ぶ。しかも、二百年先などの遠い将来ではなく、二〇五〇年を俟たず、ここ三十年足らずの近未来において、この滅びは確実で不可避。とすれば、日本の政治の要諦としては、次の四本柱以外は、もはや存在しない。

 ここで、Dについてのみ、多少の解説を先にしておく。ローマ帝国を蝕んだ外来カルト宗教とは、当時のキリスト教のこと。ただ、注意すべきは、古代ローマ帝国時代のキリスト教は、国益を考えるリシュリュ―以降の近世・近代キリスト教とはまったく異なり、国家否定・民族否定・祖先否定・歴史否定の“インターナショナル”と“あの世主義”のドグマを基調とする国家解体イデオロギーであった。

 現在の日本を侵している、国家解体の外来カルト宗教には、マルクス・レーニン主義、その派生体のフェミニズムニーチェ/ハイデカーの系譜にあるポスト・モダン、ポスト・コロニアリズム(サイード主義、反転植民地主義などがあるが、いずれも猛威を振るっている。

 これらは、朝日新聞やNHKなどの極左マスメディアや共産党が支配する大学の中だけで猖獗しているわけではない。今では、霞ヶ関中央官庁のエリート官僚の間で「常識」とすらなっている。ギボンは、ローマ帝国内の当時のキリスト教徒について、次のように語るが、これは、現代日本の上記の極左イデオロギーにそのまま置き換えられる。  

ローマ帝国において記録にも記憶にもない昔より相続されてきた伝統的な)神々の彫像、祭壇、棲家は、彼ら(ローマ市のキリスト教徒)の目には憎悪の的以外の何物でもなかった。ローマ市を完全に支配下に置いた彼らは、祖先たちの偶像崇拝を抹殺するために熱烈かつ執拗に労力を費やすことができた」(注1)

 赤い霞ヶ関官僚とは、現代日本を蚕食し破壊尽くさんとして全力を投入している、“亡国を至上の信条とする狂気の蛮族”でなくて何であろう。

出生率低下による日本滅亡を、安倍政権は、「非常事態」として宣言せよ

 さる五月五日の「子供の日」を念頭に総務省は、前日の四日、子供(=十五歳未満)の数を一六三三万人(二〇一四年四月一日現在)と発表した。それは一九八一年の二七六〇万人に比すれば、「一千一百万人も減少した」ことを意味する。日本国が地球から消滅する日は、着実に近づきつつある。

 つづいて、五月十日に発売された『中央公論』誌上に、『消滅する市町村五百二十三──壊死する地方都市」が特集された(注2)。一九八九年の「一・五七ショック」以来始めて、二十五年ぶりに人口激減問題が巷間の話題となった。が、問題が二つある。

 第一の問題は、一九八九年以来二十五年間もマスメディアが言論弾圧的に人口激減問題を封殺してきたことへの糾弾が無い。人口激減問題を検閲的に弾圧した「犯罪」を不問として、この「重大犯罪」を隠蔽し続けることは、その心底では問題を解決しようとの真剣さが欠如しているからではないか。

 一九八九年の「一・五七ショック」で日本国民が人口激減の危機をはじめて認識した時、この問題を大きくマスメディアでとりあげて国民的な出生率回復運動にしようとしたのは、実は私であった。私は、テレビ朝日の深夜討論番組で二本以上を企画したように記憶している。だが、共産党系のオバサンたちが押しかけてきて、「<産めよ殖やせよ>は戦争主義だ」という、キチガイがかった言いがかりで騒ぎ立て、結局、連続キャンペーンを企画したテレビ番組はことごとく取りやめに追い込まれた。

 第二の問題は、『中央公論』誌の当該論文が、データ分析の前半部分は合格だが、後半部分の解決策の提言は、ことごとく解決とは逆の、より人口激減を促進する異常なもの。端的に言えば、日本の新生児数ゼロを来たして日本国の消滅を煽動した、あの“世紀の悪書”『産まない選択──子供を持たない楽しさ』(注3)を下敷きにした「提言」。この悪書の編著者は、レーニン崇拝の北朝鮮人で悪名高い福島瑞穂である。

 この後半部分の分析は次回にして、今回は、前半部分の骨子を要約紹介するにとどめる。それは、出産可能年齢の若年女性人口(二十~三十九才)の減少に着目するもので、それが、合計系特殊出生率が「一・四一」を維持したとして、二〇三〇年には現在の約七割になると計算している。

 そして、東京などへの人口移動が現在と同じと仮定して、二〇一〇年から二〇四〇年までに、「二十~三十九才の女性人口」が五割以下に減少する自治体は八九六、すなわち全体の「四九・八%」となり、これらは「消滅可能性自治体」ということになる。

 子供数の絶対数が「一千一百万人以上」も大激減した数字でも、二〇四〇年までには自治体が自治を維持できず事実上消滅する数が全国の半分なる(楽観的な)予測数字でも、日本国の人口激減による亡国は一〇〇%の確度であることが充分に警告されている。

 だが、「愛国心」を人気取りに安売りする安倍晋三は、日本の人口激減問題にはいっさい関心がない。実は安倍晋三は、「二〇二〇年の東京オリンピックまで総理をやりたい」「自分が総理を辞めた後の日本については、亡んで消滅しようとどうなろうと、俺の知ったことではない」という信条の持ち主である。

 安倍がもしそうでないなら、すでに出生率大激減対策の「国家永続基本法(仮称)を制定しているだろう。少なくとも日本国開闢以来の危機である人口激減問題に国民を喚起すべく、“人口激減非常事態宣言”を発出しているはずだ。これらの問題、次回の稿で徹底的に論じたい。

フェミニズムを信奉し、出生率低下と伝統破壊の家族解体を進め、大学教授や裁判所裁判官の赤化革命を加速する“半コミュニスト安倍晋三

 女性の社会的進出に見せる安倍晋三の執念のような行動に、民族系の安倍支持者たちが戸惑っている。民族系は勝手な思い込みがあって、安倍晋三がフェミ二ズム信者なのを知らない。実は安倍晋三は、天皇制廃止のための女性天皇女性宮家を考案した、“日本最悪の共産党官僚の牙城”である男女共同参画局とはベッタリの仲良し。

 人事院総裁に一宮なおみ氏を起用したり(二〇一四年四月十四日)、首相秘書官に山田真貴子氏を起用したり(二〇一三年十一月二十九日)、ドハデな女性登用をやっている安倍晋三の行動は、女性有権者層の人気を獲得したいとの選挙目当ての表面的なフェミニズムの範囲なら大目にみてもよいが、そうではない。

 まず安倍晋三は、本心から、「女性が社会進出をすれば、アベノミクスが成功する」と信じている。IQが低い安倍晋三は、こんなことは「風吹けば桶屋が儲かる」の類のデタラメなのがわからない。女性の社会進出は、出生率の低下に拍車をかけるばかりか、家族軽視・家族解体によって民族の伝統・慣習の継承を決定的に毀損し、社会の倫理道徳の衰微をもたらし、究極的には経済の破壊的な衰退に繋がるが、この程度の常識が安倍には無い。

 そればかりか深刻な問題は次ぎのもの。安倍とは、強度のフェミニズム信奉者。だから、マルクスかぶれの昭恵夫人と結婚したのである。父親・晋太郎は、共産党とはいっさい関係なかったが生粋のコミュニストだった。安倍晋三の体の半分は祖父・岸信介の影響を受けているが、体の半分は父・晋太郎の影響を受けたから、晋三が“半コミュニズム・シンパ”としてフェミニズム教徒なのは何の不思議でも無い。

 安倍首相が私的懇談会「若者・女性活躍推進フォーラム」を主宰するのも、この一環。なお、その有識者メンバーでパソナ・グループ代表である南部靖之の秘書の一人が、ASKAと一緒に覚醒剤で逮捕された栩内香澄美(37歳)

 ともかく、安倍は、男女共同参画局の真赤な鎖に操られるのが快感なのか、子供の育児・教育に専念している次代の日本を背負うエリート教育には欠かせない専業主婦のための配偶者控除制度を廃止しようとか、女性の管理職・役員登用を不平等な割り当て制度(クウォーター制)にせよとか、共産主義思想に基づく革命に爆走中である。

 安倍晋三が、二〇一四年三月二十八日、男女共同参画局に言われるままに、中央官庁に指示命令した内容は、「独立行政法人認可法人などの全体の平均で、役員に占める女性を二〇一六年度までに六%、管理職に占める割合を十三%に引き上げよ」であった。

 男性と違って、専業主婦には保守系が多く、職場進出のキャリアー女性は共産党員や北朝鮮人が圧倒的に多い。能力差異をいっさい考慮させず、管理職や役員に女性を起用することは、組織の能力低下をきたすばかりでなく、もっとも怖ろしい事態をもたらす。官庁が真赤になっていく事態である。男女共同参画局は、赤い女性を登用させる共産革命として、「女性登用」とか「女性の力」とか、見え見えの美辞麗句で国民を騙しているのである。そして、安倍晋三こそは、この国民騙しの実行者で、日本共産化革命の前衛にほかならない。

 「女性の力」「女性の活用」が、男性を排除し“男性の力”を削いで、国力の大幅衰微の遠因となるのは、明白にすぎる。男女の社会進出を、極左イデオロギーで統制的に推進し市場原理に任せないのは、心底では計画経済(命令経済)安倍晋三が信仰しているからである。安倍のフェミニズム狂は、アベノミクスの空中分解で留まればよいが、それ以上の修復不可能な危害を、日本国に間違いなく与えるだろう。 (つづく)

 

関連エントリ

フェミニズム批判 

 

1、ギボン『図説 ローマ帝国衰亡史』、東京書籍、四九六頁。

2、「ストップ人口激減社会」『中央公論』二〇一四年六月号。

3、福島瑞穂編著『産まない選択―子どもを持たない楽しさ』、亜紀書房

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