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中川八洋掲示板

世界の現状は、日本の国家安全保障の危機を加速しています。この急迫の時局において、刻々と変遷激しい国内外の事態を冷静に俯瞰できる力を与えてくれる、大容量の真正の知識こそ、いまの日本人に必要なものです。当ブログは、国際政治学者・中川八洋筑波大学名誉教授の個人ブログです。

北方領土の対日侵攻軍事基地化をプーチンに了解した“役に立つ白痴idiot”安倍晋三の祖国割譲大犯罪

北方領土をロシアに貢ぐ安倍

筑波大学名誉教授    中 川 八 洋

(本稿は、動画「中川八洋ライブ02」の続きである)

安倍晋三は、“役に立つ白痴idiot”」は、レーニン定義の世界的な格言maxim

 安倍晋三の事を拙稿ではしばしば“外交白痴”などと表現するが、これを実に過激で非礼な言葉遣いであるかに眉を顰める読者がいる。そう感じた者は無教養の誹りに甘んじなくてはならない。無学・無教養は、決して自慢できるものではない。  

 安倍晋三のような対ロ外交をするものを“役に立つ白痴”と定義したのは、レーニンである。レーニンのこの有名な言葉を知らない米英の知識人・大学人・ジャーナリストに私は会った事がない。世界衆知のレーニンの名言において、安倍晋三が今、自分or日本国を縊死すべく縛り首に使うロープを手にしている光景を目に浮かべてこそ、真の教養というものだろう。  

 レーニンは、(共産革命から約五年が経った)1922年4月、イタリアのジェノヴァ会議にソヴィエト・ロシアの代表として経済協力を獲得しに行く外務人民委員(外相)ゲオルギー・チチェーリンに書簡を送り、ロシアと経済協力する自由主義国家のことを“役に立つ白痴”と定義した。その理由を、こう述べた。

 ロシアはこれら隣国の経済協力を得て軍需産業と軍隊を再建し、それをもってロシアはこれらの隣国に侵略する。つまり、ロシアと経済協力をする国々とは、自分の首を絞める(侵略されるための)ロープを自分から編んでロシアに持ってくる、ロシアの対外侵略に役に立つ国々だから、まさに“役に立つ白痴”ではないか、と。

 この考えは、1480年のモスクワ大公国以来のロシア民族特有なもので、レーニンの発案ではない。サンクトペテルブルグに生まれ育ったプーチンは、バルト海の一部を占領してロシアが初めて(凍らない)海に接する国家となった“侵略の皇帝”ピョートル大帝の生れ変りだと自認している。具体的には、プーチンは、“東のバルト海日本海を「ロシア内海」とすべく、北海道から新潟までを侵略してロシア領に併呑することを自分の責務だと考えている。

 猛禽プーチンが、日本の政界に張り巡らした“蜘蛛の巣”にかかった“役に立つ白痴”安倍晋三を骨の髄まで喰らい尽すことは自明。日本国滅亡のロープ「八項目極東シベリア経済協力」を日本側の方から献上する“役に立つ白痴”安倍晋三は今、プーチンの放った毒蜘蛛糸にがんじがらめになり身動きが取れなくなっている。「安倍晋三とは、北条時宗と真逆の、日本の領土をロシアに貢ぐ“史上最悪の白痴idiot”である」のは、ロシア膨張五百年史に照らして、実に恐ろしいが、真実である。

1、“ロシア国防省鉄道部隊所管の兵器”鉄道が延長する時、侵略が必ず開始される

「兵器」と「武器」の相違すらわからない“劣化民族”日本人  

 日本人の劣化と非常識化は著しい。この事は、「兵器 arms」と「武器 weapons」の相違がわからないことだけでも、一目瞭然。武器は、軍隊や軍人が用いる殺傷能力・破壊能力のあるものを謂う。「兵器」とは、「武器」を含み、軍隊・軍人が用いるすべての機器の総称である。

 工兵部隊のブルドーザーは「動く兵器」だし、兵員やミサイル輸送用のトラックもまた「動く兵器」である。人間の目に見えて、また動かない“非・武器”兵器の中で最重要な「兵器」が、鉄道、港湾、飛行場の三つ。

軍事国家ロシアでは、全国の鉄道/港湾/飛行場という「兵器」すべては、国防省が所管している

 ところで、鉄道/港湾/飛行場は、国際的常識としてれっきとした軍事施設である。だのに、軍事知識がゼロとなった日本人は、鉄道/港湾/飛行場をもって民間の施設もしくは地方自治体の所管施設であると思い込んでいる。日本だけの異常な非常識をもって、世界各国もそうだとするのは勝手な妄想だから、このような日本人の感覚はほとんど狂気と言ってよかろう。

 特に、ロシアでは鉄道/港湾/飛行場は「兵器」で軍事施設であって、それ以外だと考えるロシア人など一人もいない。ロシアは、政府・国民挙げて、軍事学の優等生。一億人揃って満点である。ロシア人から見れば、日本人は赤子の手を捻るレベルの“無気力な経済ボケ”になっているから、日本列島全土が「明日」にもロシア領となっている100%確実な近未来に舌なめずりするのである。  

 日本人の中で、防衛省自衛隊がかなり購入している『海軍年鑑』で有名なジェーン社が、鉄道や空港の年鑑を出版している理由を考える者は今ではどうもいなそうだ。これも、日本人が超劣等民族になった証左だろう。未だに貴族的エリート見識が色濃く残る“武人の国家”英国人にとって、鉄道や港湾・空港が軍事施設であるのは“知”において常識である。

(備考)『海軍年鑑』はHIS JANE‘S FIGHTING SHIPS、『鉄道年鑑』はHIS JANE’S WORLD RAILWAYS、『空港年鑑』はHIS JANE‘S AIRPORTS EQUIPMENT&SERVICES。  

 日本が異様な国なのは、軍服を着た軍人の姿を全国どこに行っても決して見かけない、信じられない光景にも端的に表れている。自衛隊を国内法では軍隊ではなく準軍隊の「軍事力をもつ実力組織」にし、自衛官を「軍人」でなく国家公務員にしているからだけではない。中曽根康弘防衛庁長官になる以前では、自衛隊自衛官たちは制服で通勤していた。私も、六本木の交差点や地下鉄六本木駅で、陸海空の自衛官がたくさん制服で歩いている光景を普通だと眺めていた。ところが1970年、中曽根康弘大臣が、自衛隊に対して制服通勤を禁止した。これに対して(私が25歳になったすぐの)当時の囂々たる論調は、消える直前の日本最後の常識の発露だったように思えてならない。

日露戦争は、ロシアのシベリア鉄道/東清鉄道の完成において、日本が開戦に追い込まれた

 1895年に日清戦争が終わった直後から、当時の日本人は一流民族だったから、ロシアの軍事脅威が発生したと正しく大騒ぎしていた安全保障問題があった。それがシベリア鉄道。シベリア鉄道は、1891年にモスクワとウラジヲストックの双方から建設を開始した。ウラジヲストックでの起工式は、訪日を終えた皇太子ニコライ二世が主宰した。

 なお、シベリア鉄道の呼び方には、狭義と広義があり、広義にはその支線を含む。しかし、支線は「支線」と呼ぶべきである。例えば、満洲を横切る「東清鉄道」とその支線「ハルピン-大連・旅順=南満洲鉄道」も、日本の祖先が呼称した通りに歴史的な名称をそのまま使うべきで、そうしないと日本の次代が歴史から断絶する。スターリンの絶対命令で建設が進められた「第二シベリア鉄道」=「バイカル-アムール鉄道」=「バム鉄道」についても、この通りに呼称して、「どれも、広義のシベリア鉄道の一部だ」などと、大括りをしてはいけない。

 話を日清戦争後に戻す。当時の日本は、小学校に通ったこともない車夫馬丁に至るまで誰でも「ロシアの鉄道は兵員と武器弾薬等を輸送するアジア侵略の軍事力だ」と正しく理解していた。第一は、極東域の「ウラジヲストック-ハバロフスク間の、【ウスリー鉄道】とも言うシベリア鉄道本線」が1897年に完成した時。第二が、ロシアが露清密約(1896年6月)によって、満洲を横切る東清鉄道の敷設権を得て直ちに竣工した、ロシア東清鉄道が完成した1903年7月。

 満洲内を横切るロシア東清鉄道は、公式には、西は満洲里と東はグロデコヴォを結ぶ1510㎞を指す。そして、これをシベリア鉄道本線と結ぶために、まず、1901年に満洲里とロシア・ザバイカル州のキタイスキ・ラズエズトーとを結んだ。これが「バイカル支線 355㎞」である。これによって、チタからボルジャを経て満洲里そしてハルピンへと大規模軍事力を派兵できるようになった。

 また、東清鉄道を、すでに完成しているシベリア鉄道ウスリー鉄道と結ぶため、「綏芬河満洲領内)-グロデコヴォ-ウスリースク(ヴスリースク)」とを結んだ。完成1903年7月の「ウスリー支線 107㎞」がこれである。これによって、海路でウラジヲストックに荷揚げされた大量の軍事力が、「ウスリースク→綏芬河→ハルピン」へと投入できるようになった。なお、「ウスリー支線」を、ウスリースクからグロデコヴォまでと定義すれば97㎞である。

(備考) シベリア鉄道の一部である「ウスリー鉄道」と、満洲領内に入って東清鉄道に結ぶ「ウスリー支線」とは、混同されがちなので注意して峻別すること。

 第三が、1898年3月、ロシアは旅順・大連の租借権を獲得するや、直ちに「ハルピン-大連」間の満洲支線の建設に着手し、1903年1月、これを完成させた。これで、ロシアが一気に朝鮮半島を南下して近未来に日本に侵攻する事態は確実となり、日本を防衛するなら、日本列島との間に一定の縦深strategic depthがある南満洲を主戦場にせざるを得ず、軍事費が全く不足しているにもかかわらず、日本は一か八かの対露開戦に追い込まれた。

 日本が日英同盟の締結を急いだのは、1898年頃から日英間で、旅順・大連を手にしたロシアの強大な南下にどう対処するかの協議が開始されてはいたが、1901年に入って加速された。「ザバイカル支線」が完成し、東清鉄道と南満洲支線が急ピッチで建設され完成間近となり、満洲全土のロシア領化はほぼ確定し、そればかりか数年を経ずして朝鮮半島のロシア領化も火を見るより明らかになったからだ。

 日英同盟は、英国の好意で迅速に合意されて、1902年1月30日に、ロンドンで調印された。日本の対ロ開戦は、1904年2月。その直後の4月の“日本の英雄”黒木為楨・陸軍大将の鴨緑江渡河作戦の勝利で、日本は破竹の勢いで奉天会戦へと勝ち進んでいく。

2、「バル」「バスチオン」の北方領土配備に抗議しない“ロシアの犬”安倍晋三

 民族系は、安倍晋三をもって愛国心ある政治家だと、逆さも度の過ぎた錯覚にあそぶ。事実をありのままに直視せず幻想や思い付きで政治家を評価するような人間は、日本国に害毒を齎す働きしかしないから、民族系を“本物の日本国民”に分類することはできない。安倍晋三には日本国を護らんとする、そのような精神は一欠けらもない。この事実をそのまま正しく把握してこそ、真正の日本国民になりうる第一歩である。

ウラジヲストックに9月2日、真正の日本人なら訪問できない。安倍晋三は、日本国民でない。

 安倍晋三は、9月2日、ウラジヲストックで、「日本はロシアの属国であります。領土はロシアが欲しいとおっしゃる通りにすべて差し上げます」「安倍首相はプーチン皇帝の臣下であります」としか解釈できない、「ロシア様、プーチン様、日本は領土など返還して頂けなくとも、片務的に対ロ八項目極東シベリア経済協力を精一杯させて頂きます」一本槍の、プーチンとの首脳会談を行った。外務省の公式発表によると、約3時間10分に及んだという。うち安倍・プーチン秘密会談が55分。安倍が、「日本はロシアの属国・奴隷国であります」と宣言した証拠は、以下の通り。

第一;日本国が戦艦ミズーリ号の甲板で、ロシアを含む連合国との降伏文書に調印したのは、1945年9月2日。スターリンの対日戦勝記念演説が9月3日。プーチンが、意図的に、この日を選んだことは、世界屈指の縁起担ぎ民族であるロシア民族の絶対文化だから、疑問の余地はない(附記)。

 安倍総理プーチンに尻尾を振り続けた2016年9月2日と3日とは、日本が満洲樺太と国後・択捉島その他をロシアに奪われた屈辱記念日であり、ロシアの対日戦勝記念日であることは、何を物語るのか。安倍晋三が、プーチンの前に膝を屈して叩頭した、何よりの証拠ではないか。

 このとき安倍晋三は、プーチン皇帝に向かって、1945年には、「ロシアに侵略して頂いて有難うございます」「ロシアに領土を奪って頂き有難うございます」「シベリアで日本男児65万人(107万人がシベリアに強制連行、舞鶴港に帰還した数42万人)を殺して頂き有難うございます」「満洲でレイプし放題、略奪し放題、餓死・凍死させ放題の、地獄のような状況で日本人婦女子20万人を殺害して頂き有難うございます」と言上したことになる。それとも安倍晋三よ、そうでないと言えるのか。安倍の抗弁を是非とも聞きたいものだ。

第二;日本の総理大臣が、ウラジヲストックを訪問することは、許されるのか。ウラジヲストックつまりウラジヴォストークとは、「東方(=日本)を征服するぞ」の意味。安倍晋三は、プーチンに、「ウラジヲストックの名前を変更しろ、この変更がない限り、日露平和友好はない」との抗議をしていない。安倍は、「日本列島すべてをロシアに貢ぎます」「ロシアが日本列島全てを侵略占領することを歓迎します」旨のメッセージを、プーチンに手渡したことになる。

第三;この9月2~3日、安倍は、「日ロ平和条約の締結」とか「新しいアプローチ」とかの言葉はあるが、我が日本国の“固有の領土”「北方領土を返還せよ」とはプーチンに要求していない。「北方領土」の言葉を一度も一言も口にしていない。安倍晋三は、プーチンの前では、大蛇に飲み込まれる寸前のガマガエルのような姿を呈して、実はガタガタ/わなわなと震えている。そして、プーチンの言いなりの「対ロ八項目極東シベリア経済協力」を纏めて差し出しただけ。

 こんな情況に陥るために、15回もプーチンの靴を舐めて磨いてあげたのが、日本史上最凶の対ロ売国奴安倍晋三の本性である。一億日本国民が「安倍晋三よ、お前は非国民の極みだ!日本列島から出て行け!」と声をあげる時、ロシアは慌てて北方領土全島を無条件かつ即時に返還するだろう。日本国民ならば、この義務を果たすべき。すなわち、「安倍晋三よ、お前は非国民の極みだ!日本列島から出て行け!」と声をあげよう。

安倍晋三の「プーチン詣で」「プーチン礼拝」ロシアの北方領土の軍事化を加速化した

 安倍晋三は、領土奪還交渉などいっさいしていない。プーチンに操られる夢遊病者になっており、領土奪還などの本来のロシア訪問の目的など、思考の片隅にも存在しない。ひたすら、プーチンに命じられるまま、貢物として対ロ経済協力プランづくりに精進する奴隷状態にあるからだ。  

 しかも、この安倍晋三プーチン崇拝のプーチン詣でにおいて、日本政府のロシア非難は封じ込められているから、ロシアとしては国後/択捉島の軍事化を進め、「日本の暗黙の了解のもとで軍事化した」との実績を積んでいる。だから、安倍が2016年5月にチタにプーチンを訪ねるのを好機に、ロシア国防大臣ショイグは、その直前の3月、「今年中に地対艦ミサイル『バル 3K60』と『バスチオン P-800』を配備する」と発表した。

 案の定、政治家として名声を残したいばかりで自分のことしか考えない愛国心ゼロの“自己チュー”安倍晋三は、このロシアの北方領土軍事化に抗議しなかった。安倍晋三は、北方領土はロシア領であると世界に公言したのと同じ行為をなした。父親安倍晋太郎のDNAを継ぐ“対ロ売国奴”らしい、祖国叛逆の行動である。

 そして、ロシア太平洋艦隊の機関誌は、11月22日付けで、「択捉島にバスチオンを実戦配備した」「国後島にバルを搬入した」と報じた。これに対して、安倍晋三は12月15日、長門市に来日するプーチンの胸倉をつかんで厳重に抗議しなければならない。しかし、しないだろう。

 安倍晋三にとって、国防とか領土とかの日本国の存立の根本などどうでもいいのである。反・国防主義を信条とする安倍にとって、北方領土問題は、自分の総理在任中の人気向上にどう活用するかだけしか関心がなく、領土など“ポイ捨て”が安倍の心底にある本心だからだ。

 なお、「バル」は、射程130㎞ほどの地対艦巡航ミサイル。「バスチオン」は、射程300㎞の超音速巡航ミサイルである。露語バルの意味は「舞踏会」、露語バスチオンは「城塞」である。                                        (11月29日記)

 

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北方領土をロシアに貢ぐ安倍

 

(附記)  

 ロシア民族が世界一の縁起担ぎ民族であることについて、まず、ゴルバチョフを例とする。ゴルバチョフ書記長が、ロシア製の名句「冷戦の終焉」を世界に広めたく、米国ブッシュ(父)大統領に頼み込み、マルタで米ロ会談をすることになった(1989年12月)。これは、ヤルタにスターリンとの三巨頭会談に臨むにあたって、事前に英国のチャーチルと米国のルーズベルトが、マルタで会談した故事を模倣したためである。しかも、チャーチルルーズベルトは米海軍の巡洋艦「クィンシー」号上で会談したので、ゴルバチョフはわざわざスラバ級巡洋艦をマルタ港沖に停泊させた。  

 また、ゴルバチョフは、1987年に初めて米国訪問に招待された時、レーガン大統領から11月上旬と指定されたのに、頑としてワシントン時間12月7日に拘り、一ヶ月も遅らせた。12月7日が日本のパール・ハーバー奇襲成功の日であるからで、縁起担ぎを優先したのである。  

 アンドロポフが1983年末、ヤルタ協定の履行を決意し「東欧を西欧に返還する」と決定しながら、その実行年を「フランス革命の200周年の1989年にせよ」と、KGB第一総局に命じた。また、日を「レーニン共産革命記念日の11月7日にせよ」と命じた。世界史的な事件とされる“ベルリンの壁崩壊”は、実はアンドロポフの六年前の脚本通りに実行された計画された演劇であった。

日ロ長門会談を中止せよ、「八項目経済協力」を撤回せよ、「ビザなし交流」を全廃せよ──安倍晋三は、愛国心を取り戻す時

北方領土をロシアに貢ぐ安倍

筑波大学名誉教授  中 川 八 洋

 TPPの批准国会で、安倍晋三は、苦戦している。TPP(環太平洋経済連携協定が当分の間おそらくここ四年間は発効しないことを知った農協とそれが支える自民党農林部会は勢いづき、安倍晋三の正しい農協改革を骨抜きにしてしまった。トランプ次期大統領の誕生とリマでの安倍のトランプへの裏切り行動が、私も安倍晋三を支持し応援してきた“安倍晋三TPP推進”を、ほとんど御蔵入りにした。

リマAPEC会議で引退直前のオバマに唱和し、トランプの保護主義を非難合唱した安倍の非常識  

 安倍晋三の“外交音痴”というよりも“外交白痴”は度し難い。何故なら、APEC首脳会議(備考)で、トランプが虫唾が走るほど大嫌いなオバマ大統領の保護主義非難演説に、安倍だけでなくニュージーランド首相やその他の首脳もそうだが、「その通りだ」と皆で保護主義非難を大声で合唱した。そして11月20日、APECは「あらゆる形態の保護主義に対抗する」との首脳宣言を採択した。  

 私は、その光景をテレビで見ながら、感情を直ぐ爆発させる“マナー欠如の《瞬間湯沸かし器》トランプ”が、この光景だけには、来年1月20日の就任式まで「TPPからの米国離脱」宣言を待てまいと直感した。

(備考) APECとは、「アジア太平洋経済協力会議」のこと。  

 案の定その通りになった。トランプは、必要もないのに、翌21日、動画サイト「ユー・チューブ」に、「就任日に離脱を他のTPP加盟国11ヶ国に通告する」と闡明した。APEC首脳宣言への報復である。

 安倍晋三は、トランプ氏との関係を重視して刺激しない行動をするべきで、ベストはAPEC首脳会議の開催を(11月9日の大統領選挙結果判明後すぐ)トランプ大統領就任後に延期することだった。それが無理なら、自分の発言の順番時間帯には仮病を装い、大使等に代読させて、会場から消える次善の策を採るべきであった。

 「あらゆる形態の保護主義対抗する」とは、「トランプは間違っており、太平洋の貿易制度を巡って、APECはトランプと全面戦争をする」との宣戦布告文ではないか。トランプ攻撃に終始したAPEC首脳会議は、中共習近平やロシアのプーチン大統領が主導した“日米分断”に悪用されていたのに、安倍晋三APECのこの欠陥──日本の国益と相克する事──に気付いていない。  

 安倍晋三は、2日前の17日、“保護主義の巨魁”トランプ氏と直接会談した仲である。せっかく培い始めたトランプ氏との友情こそ重視すべきだろう。いつもの“ポイ捨て性癖”をこの時こそフルに発揮して、オバマとは意見が異なるかの演技に徹して“オバマをポイ捨て”し、APECに対して背を向ける“APECポイ捨て外交”に走るべきだった。  

 私は、「TPP発効後に、12ヶ国はAPECを離脱する」ことが望ましいと考えている。習近平プーチンは、この逆で、日米同盟の弱体化と軋轢助長のため「TPPを潰して、APECの存続と強化を図る」ことに執念を燃やしている。日本は、中ロの「TPPを潰して、APECの存続と強化を図る」謀策に対抗する“対抗外交(counter-diplomacy)”を直ちに展開する必要がある。その基本方向は、まずは“APECからの日本の離脱”。

 しかし、安倍晋三や外交白痴の自民党国会議員たちだけでなく、外務省外交官の質的劣化はひどい。“APECつぶし”を検討していない日本とは、最低限の外交すらできなくなった外交無能国家の証左である。特に、日米同盟を重視するなら、それを阻害するAPECを軽視するか、廃止しようとするはず。だが、安倍晋三は、烏滸の沙汰にもAPECが大好き。安倍晋三が、TPP批准国会で四苦八苦しているのは、自らの“外交無能/外交ごっこ”が招いた自業自得といえよう。

日本の国益はトランプ/プーチン分断。トランプ会談二日後にプーチンと会談した安倍の支離滅裂

 安倍晋三は、トランプ氏との折角の友情づくりをハチャメチャにぶっ壊した。それは、トランプが八年前から“俺の敵の中でも最悪の宿敵”としているオバマ安倍晋三が一緒になって、“トランプの保護主義反対!”のコーラスを歌ったからだ。

 安倍はどうも、「トランプとは、大嫌いな黒人オバマの大統領職の失職を図るべく、オバマハワイ州での出生証明をしつこく要求した“全米一のオバマ嫌い”」という事実も知らないようだ。「トランプと親友になりたければ、オバマの悪口を言うのが手っ取り早い」は常識で、ジョークではない。墓場に入ったあの世でも罵倒し合う「トランプ-オバマ関係」は、選挙中どんなに罵り合おうとも選挙が終わればお互いに水に流す「クリントン-トランプ関係」とは根本において相違する。が、安倍は、この事実を知らない。

 それだけでなく、日本外交の最優先アジェンダは、トランプをプーチンから分断する事である。が、日本の国益が全く見えない安倍晋三は、トランプとの会談から2日後(19日)に、プーチンと70分間も会談した。  

 要するに、安倍晋三は、外交をしていない。総理という権限と立場において、違法性はないが世界一周旅行に現を抜かしているのである。一般人の観光旅行と本質において変らない安倍晋三のを、“世界要人との会談マニア型”世界一周観光旅行という。それなのに安倍晋三は、この「“世界要人との会談マニア型”世界一周観光旅行」を自画自賛して、自ら“地球儀を俯瞰する外交”と名付けた(2016年9月26日、衆議院での演説)

 笑止千万とは、このような幼児的妄想をいう。「地球儀を俯瞰する」とは、人工衛星から地球を眺めた宇宙飛行士になった積りだから、やはり安倍は自分を外交しているとは思っていない。“遊び三昧”の世界一周観光旅行していることを自覚して“世界要人との会談ごっこ”を謳歌している。  

 外交は、一挙一動、熟慮と慎重とが要求される。「トランプに会った以上、APEC参加はトランプを逆上させて逆効果になるので、APECでは仮病を使って席につかないことにしよう」など、臨機応変に対応するのが外交である。それほどまでに各外交ごとに熟慮と慎重と精緻さが要求されるから、日本の総理に、“世界要人との会談ごっこ”をしている暇などまったくない。総理職の頭を重要外交に絞って集中することができないなら、日本国全体の外交自体を重大に毀損する。安倍晋三の“世界要人との会談ごっこ”による海外旅行三昧は、日本国に致命的損傷を与えている。

プーチンの指摘「安倍の《新しいアプローチの対ロ外交》は全く意味不明。理解不可能」は正しい

 序なので、この11月19日のプーチンの公然たる安倍晋三非難を振り返っておこう。安倍晋三との秘密会談を終えたプーチンは秘密会談のルールを破り、秘密会談で自分が話した内容を記者たちにすべて暴露した。それだけでなく、安倍晋三の“お馬鹿さ”に対して公然と非難した。さすが大秀才のプーチンらしく、この安倍非難の指摘は、厳密に正確である。

 プーチンが「安倍は馬鹿だ」と指摘したように、確かに安倍晋三は、日本国民を騙している。安倍流日本人騙し語が「新しいアプローチに基づく対ロ交渉」。こんな幼稚な嘘をつくのが、滑舌芸人の安倍晋三。“嘘つきクリントンが、正直トランプに負けた”米国大統領選挙から、安倍晋三は、「正直さ」の価値を学んだらどうだろう。

 安倍晋三の対ロ交渉はすべて、1997~8年の橋本龍太郎が大敗北した対エリツィン交渉をそのまま踏襲した“二十年前の古いアプローチ”である。つまり、安倍は、“二十年前の古いアプローチ”を、日本国民に対して、「新しいアプローチだ」との真逆の偽装表示を張り付けて宣伝している。賞味期限の過ぎた食品の表示を張り替えて消費者に売りつける悪徳産廃業者と同じやり方。安倍晋三の本性には強度の日本人騙し癖が根付いている。

第一節 「政経不可分」原則を破壊した、鈴木宗男佐藤優一派の大犯罪

 日本人はIQが低く記憶力がほとんどないから、鈴木宗男一派に担がれた“外交白痴”橋本龍太郎のトンデモ対露外交を覚えてはいまい。だから日本人は、安倍晋三が、二十年前に、橋本龍太郎が全面敗北したトンデモ対露外交を瓜二つで繰り返していることに気づかない。「“お馬鹿” 国民ありて、“お馬鹿”総理あり」である。

 以下、橋本龍太郎(当時においては、国民騙し語ではない)「対ロ新アプローチ」を復習しておこう。

 ソ連邦が崩壊し新ロシアが誕生する1991年を境に、実は、ロシア以上の革命的激変が日本に起きていた。外務省のロシア・スクールがかつての“反ロシアの吉田茂路線”から、“親ロシア路線”に180度ひっくり返ったからだ。また、1991年に入り、共産党独裁のソ連邦が崩壊し追放される気配が漂い、明らかによれよれになっていたゴルバチョフソ連共産党書記長を、日本政府は、あろうことか公式に訪日させる“異常外交”に走った。1991年の日本は、国挙げて、対露外交の不能と錯乱の巷と化していたのである。

 1991年の日本の、対露外交の不能と錯乱は、むろん1980年代から徐々に形成されたのであって、突然に発生したのではない。例えば、中曽根政権の安倍晋太郎外務大臣など、対ロ外交の分野に限るが、多くの“悪の政治家”が外交を外務省から奪ったことによって、日本外交は“不能と錯乱”を強く呈するようになった。

 さて、橋本龍太郎の1997年「対ロ外交の新アプローチ」とは何だったか。それは、今、安倍晋三が対プーチンで模倣・踏襲しているから、内容は、誰でも知っている。「信頼/相互利益/私たちの世代で解決(=長期的な視点)」という三原則。この“日本国民騙し語”「相互利益」とは、“日ロどちらも勝者と敗者にならない”をスローガン化したもの。戦後四十二年間(1945~97年)一貫して、日本の政府・一般国民の間には「四島一括無条件返還」論しかなかったのが、橋本龍太郎の悪魔語「相互利益」以降、「三島返還」とか「二島返還」とか「領土面積折半」択捉島の四分の一日本、四分の三ロシア)とかが、日本の歴史上初めて飛び交うようになった。1997年の橋本龍太郎(を操る鈴木宗男をもって、日本は名実ともに対露従属国家の道を公然と選択したのである。

 ポスト冷戦時代になってからの対ロ売国奴第一号となった橋本龍太郎の「対ロ三原則」は、具体的には、1997年7月24日の経済同友会での講演において表明された。

 これを主導したのは、鈴木宗男。この橋本講演原稿の第一次原案を執筆したのは経産省の対ロ工作員官僚だが、それは事前に鈴木と打ち合わせた外務省“朝鮮人三羽烏”の構想に基づいていた。外務省”朝鮮人三羽烏“とは、東郷和彦(備考1)/篠田研次(現シンガポール大使)/佐藤優のこと。ロシアを祖国とするこれら反日人士によって、戦後四十二年間守られ続けた、日本の対ロ外交の基軸を全面破壊する、「橋本対ロ三原則or橋本対ロ新アプローチ」が完成した。

 外務省“朝鮮人三羽烏”に、樺太生まれの“鵺男”丹波(のち駐ロ大使、備考2)が加わっている。なお、“犯罪外交官”東郷和彦は、2002年の鈴木宗男事件の共犯者としてオランダ大使を免官されたが、逮捕・起訴を逃れるため永く逃亡先のアイルランドから帰国しなかった。篠田研次が逮捕・起訴されなかったのは、適用法律の偶然からである。

(備考1) 東郷和彦の祖先は、400年以上昔になるが、秀吉の朝鮮戦役の時、朝鮮半島から移住した陶工。祖父・東郷茂徳の代までは完全な純血朝鮮人であった。曾祖父までの言語は朝鮮語。「東郷」姓は、明治維新で強制となった戸籍制度のため、この「東郷」姓を金で買った。東郷茂徳から使用。旧姓は「朴」。日本では、1950年頃まで、戸籍は売買されていた。

(備考2) 丹波実は、レーガン大統領の対ソ巻き返し時代の1980年代初頭、私の対ロ外交の根本「《➀日本が軍事力増強して拳をロシアに振り上げる、②対ロ無交渉に徹する、➂ロシア軍の撤兵と同時に陸上自衛隊が平和的に進駐する》が、無条件四島一括返還の日露間の最終合意になる」を聞いて、「僕は君の意見を過激だと思わない。ロシア民族/ロシア対外行動を知り尽くした見解だし、樺太でのソ連軍の暴虐を経験した僕は、納得以上のものを感じて同感だ」と語った。だが、1997年、丹波は駐ロ大使になりたくて鈴木宗男に胡麻をすり対ロ屈伏一辺倒になった。丹波実に抗議しようと某退官外交官に仲介を頼んだら、「丹波実の心底の信条は、確かに中川教授に近い。が、丹波は、自分の信条より出世第一主義の男だから、会っても無駄だよ」と止められた。  

 安倍晋三に変更ゼロでそっくり引き継がれた橋本龍太郎「1997年対ロ新アプローチ」は、実は、1996年の村山富市社会党政権の誕生に乗じて、鈴木宗男/佐藤優/東郷和彦/篠田研次という“悪のロシア工作員四人組”が考え付いたもの。なぜなら、彼らが書いた露語パンフレット『日本とロシア──真の相互理解のために』(1996年)は、「四島の帰属」に改竄しており、「四島の返還」の“返還”の二文字を日本史上始めて消した革命であった。しかも、翌1997年からは「新アプローチ」と言われる、日本の対ロ属国化の対ロ叩頭外交を、篠田研次は、「重層的アプローチ」だと自画自賛した。

 鈴木宗男/佐藤優/東郷和彦/篠田研次という“悪のロシア工作員四人組”の「新アプローチ=北方領土の全面放棄」の宣伝を買って出たのが、佐藤優の盟友である斎藤勉産経新聞社)であった。産経新聞は、1996年11月30日/12月2日/12月4日付けで、この「新アプローチ(=北方領土の全面放棄)」を「新潮流」として連載して宣伝してあげた。その見出しタイトルが「日ロ新潮流──X氏は語る」。X氏とは、東郷和彦のこと。

 斎藤勉は、『北方領土が泣いている』(注1)鈴木宗男/佐藤優を激しく非難したから、世間では常識を逸脱していない北方領土奪還論者だと見做されている。だが、『北方領土が泣いている』は、自分がロシア工作員である事を隠し偽装するためのアリバイ工作で、真赤な八百長本である。“ロシア人”斎藤勉は、鈴木宗男/佐藤優の同志であり、北方領土全面放棄論者である。

第二節 “朝鮮人花田紀凱は、“ロシア人”鈴木宗男の対日工作拡声器

 「エリツィンとのクラスノヤルスク/川奈会談」に集約される、1997~8年の橋本龍太郎北方領土全面放棄革命に関係したロシア工作員を、表1に纏めておく。  

表1;1997年の北朝鮮アナーキスト・外務省「KGB連合」

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 橋本龍太郎の対ロ全面屈伏をそっくり繰り返した自民党の“対ロ売国奴”首相が、小渕恵三森喜朗安倍晋三で、これら四名の対ロ政策にいかなる差異もない。何故なら、この四名の自民党首相は、対ロ交渉を事実上、鈴木宗男に丸投げしているのだから、「安倍晋三森喜朗小渕恵三橋本龍太郎」と、全員がまったく同じ形で対ロ全面屈伏するのは当然である。  

 そこで、話を2016年の「今」に戻す。  

 安倍晋三は、プーチンの罠に嵌り、もはや蟻地獄に落ちて死を待つばかりの昆虫になっている。これを打開する道は、ただ一つ、プーチンとの長門市首脳会談をキャンセルし、「極東開発八項目経済協力」仮合意を破棄することだが、人気至上主義者で日本の国益など眼中にない安倍晋三には、このような正しい日本人になろうとの覚醒もなければ、そのような決断もできないだろう。  

 対ロ経済協力の危険も見抜けない安倍晋三は、「北方領土は、ロシア主権下のロシア領」すら認める可能性が大。ここでは、それらを詳細に論じる紙幅はない。そこで、安倍晋三をこの蟻地獄に引っ張り込んだ“獰猛な黒蟻”鈴木宗男と裏でつながる一部マスメディアをほんの少し概観する。  

 明らかに、“ロシア人”鈴木宗男と深い絆で結ばれているマスメディアの筆頭は、『月刊Hanada』。その12月号は、モスクワで編集されたとしか思えない代物。きっと『月刊Hanada』の編集長は、KGB第一総局SVRの将校だろうと表紙を見たら、「花田紀凱」と印刷されていた。

 これには、最初は腰を抜かすほど驚いた。花田紀凱は名うての朝鮮人だが、KGB工作員だとはこれまで知らなかったからだ。『月刊Hanada 』12月号は、事実上の巻頭特集で、ロシア工作員鈴木宗男飯島勲の論稿を掲載している。しかし、よくよく考えれば当たり前だと納得した。朝鮮人アナーキスト花田紀凱が、ロシア工作員ではないとしても、ロシアの対日工作に全面協力するのは、日本人を憎悪するその信条において考えられ得る行動で、不自然ではない。

長野県生まれ“朝鮮人二世”飯島勲は、ロシアの対日侵略を熱烈歓迎する“日本のキスリング”

 『月刊Hanada』12月号の飯島勲の稿は、「飯島流《新ロシア論》 北方領土の返還の道筋と夢のシベリア鉄道を北海道へ」である。飯島勲と言えば、小泉純一郎首相の首席秘書官として辣腕を揮ったことで、ロシア工作員だと見做されることはこれまでなかった。特に、小泉純一郎は、直感が鋭く、プーチンを警戒し、また鈴木宗男が大嫌いだった。小泉政権の最初の外務大臣田中真紀子鈴木宗男と喧嘩をして、これがきっかけとなって、常日頃から警察・検察が外交機密漏洩でマークしていた鈴木宗男/佐藤優を逮捕した時、小泉はこれを黙認した。一説では裏で応援した。

 このため、小泉純一郎の永く筆頭秘書であり続けた飯島勲について、北朝鮮系の朝鮮人だと知る者でも、ロシア工作員だとは知らなかった。飯島勲鈴木宗男と肝胆相照らす仲だとは知らなかった。また、安倍晋三が、飯島勲を「内閣官房参与」という国家公務員に任用しているのを、北朝鮮に拉致された被害者奪還のためのパイプ役だからと勘違いしているものが多い。が、外務省排除をもって外交専断を図る安倍晋三は、対ロ交渉の現地情報収集の特使として飯島勲を活用している。

 安倍晋三とは、実は、鈴木宗男飯島勲がロシア工作員であることを知っているし、ロシア工作員こそ北方領土交渉が打開できると逆さに考えている、対ロ狂気外交に暴走する首相である。鈴木宗男飯島勲のように、祖国をロシアとか北朝鮮とか考える非・日本人が、日本の固有の領土の奪還や返還要求に情熱を傾けるわけなど万が一にもないが、自分の人気や名前を後世に残したいだけの(日本国が不在の)“自己チュウ男”安倍晋三には、この当り前の理性も思考も存在しない。

 ともあれ、飯島勲は、『月刊Hanada』12月号で、日本は、北方領土返還など要求すべきでない/極東シベリアの経済開発に協力する“ロシアの奴隷国”あるいは“ロシアに無料で搾乳され続ける雌牛”になるべきだと主張している。ロシア人になりきっている飯島勲の怖さは、それだけでない。ロシア軍が大規模に北海道に侵略できるよう、北海道に直結するロシア兵員・兵站輸送鉄道を敷こうと、ロシアの対日侵略の偽情報尖兵の役に嬉々としている。

「大陸のロシア側からサハリン樺太に渡る間宮海峡には、まず鉄道と自動車両用の二階建ての橋を架ける。次に、サハリン樺太の南端ユージノサハリンスク(豊原)と北海道の北端・稚内の間の宗谷海峡にはトンネルをぶち抜く。」(注2、カッコ内中川)。  

 日本とロシアとの間の貿易はシェアにおいて、欧米や中共そして東南アジアと比すればほとんどないに等しいから、このような鉄道は全く不要。軍用以外に使い道はない。しかもロシアは今でも鉄道は軍事力と見做しており、鉄道を非・軍事力の民間商業用だと考える日本人と真逆である。1945年8月に155万人のロシア大部隊が満洲になだれ込んだが、飯島勲は、この満洲での日本消滅の光景を、近未来の北海道で再現したいのである。  

 この飯島勲論稿から誰でも思い起こすのは、ノルウェーのキスリング(クヴィスリング)だろう。社会主義者キスリングは、ナチ・ドイツに傾倒し、ヒトラーノルウェー侵略(1940年4月9日~)に際しては、それを手引きしてノルウェーをドイツ領にする事に没頭した。飯島勲は、まさにキスリングの再来で、日本の厄病神。

 飯島勲を母国・北朝鮮に追放し、代わりに、拉致被害者たちと交換できないだろうか。キスリングは、1945年5月9日に逮捕された後、銃殺刑で処刑された。飯島勲がいつまでも日本に居座るなら、外患罪の死刑を適用できる立法を急がねばなるまい。

安倍晋三を“プーチンの犬”に追い込む策謀に大成功した、“ロシア工作員鈴木宗男は今や高笑い

 鈴木宗男の対日犯罪は、先述したように1996年から始まっており、刑務所にいた期間を除き一貫して、日本の領土をすべてロシアに貢ぐことに専念してきた。そればかりか、日本のすぐ真北にある樺太や極東そして北方領土を、ロシアの軍隊と兵器で軍事化するために、日本の経済力・技術力を日本の資金で開発させる事に専念している。

 鈴木宗男がここ三年ほど全力をあげたのは、プーチンの落とし穴/罠に安倍晋三を追い込むことだが、これにも成功した。これほど凄腕の対日ロシア工作員は、河野一郎を越えているし、瀬島龍三とも優劣つけがたい。

 ともあれ、今や笑いが止まらない“ロシア人”鈴木宗男の高笑いの一端が、『月刊Hanada』12月号での実娘との対談。それは、嘘八百の洪水で、まさに鈴木宗男がロシア人として、日本人洗脳に未曽有の才能を発揮している作品になっている。この対談の分析は、他の言論誌における鈴木宗男の論稿と併せて行う予定なので、ここでは割愛する。ただ、鈴木宗男が自分をロシア人だと考え、実娘に対し日頃からロシア人と結婚してほしいと願っていた事実がポロリと漏れている箇所だけ、紹介しておく。

(宗男) お蔭様で今回、伴侶も得たわけですし。

(貴子) ロシア人でなくて残念でしたか。」(注3)。

 ところで、編集長・花田紀凱が、読者に真赤な偽情報を擦り込もうとしている重大な問題を指摘しておきたい。なぜなら、『月刊Hanada』12月号での鈴木宗男の父娘対談の、そのタイトルを「北方領土返還に賭けた父と娘」として、事実を倒転し、180度逆にしているからだ。実際の鈴木宗男は、北方領土をすべてロシア領にして、ひとかけらも日本の領土とならないよう、1996年から全力で対日工作してきた。また、日本人をその方向に洗脳してきた。

 花田紀凱は、正しいタイトル「北方領土の返還を徹底妨害した“悪魔のロシア工作員鈴木宗男」に、なぜしなかったのだろう。読者騙しを職業とする、良心なき花田紀凱もまた、母国の朝鮮半島に戻って頂くほかはない。

(11月26日記)

 

1、斎藤勉/内藤泰朗『北方領土は泣いている』、産経新聞社、2007年7月。

2、飯島勲、『月刊Hanada』12月号、81~2頁。

3、鈴木宗男/鈴木貴子、同上雑誌、74頁。    

 

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北方領土をロシアに貢ぐ安倍

 

                  

 

プーチンに騙され“祖国叛逆の領土割譲”に狂奔した安倍晋三は、刑法・外患罪の重大犯罪者

北方領土をロシアに貢ぐ安倍

筑波大学名誉教授   中 川 八 洋  

 プーチンとの秘密会談を終えて出てきた安倍晋三・首相の顔が、異様に紅潮して引き攣っていた。日本時間で11月20日午前中(ペルーのリマ時間で11月19日午後)のテレビ報道の画面で、安倍晋三の顔をみた多くの日本人は、「安倍晋三が、《プーチンに三年九ヶ月間も騙され続けていた自分》に、やっと気が付いた」ことを確信した。安倍晋三への軽蔑が、日本国内に静かだが大きなうねりとなって広がり始めた。  

 日本の固有の領土の主権を譲渡する祖国毀損において、安倍が対ロ売国奴で刑法・外患罪を適用すべき祖国叛逆者であることが鮮明になった。

 安倍晋三は、生まれつき極度の外交音痴。際立つほどの外交能力ゼロを特性とする政治家である。このことは、2012年12月に首相になってすでに四年、“トップ公約の一つ”「北朝鮮拉致被害者の奪還」を、いつの間にか藪の中にポイ捨てしまったことを思い出せば、明白なことではないか。

 従軍慰安婦の歴史事実につき、「歴史の真実は断固として曲げない」は安倍晋三の公約だったが、これもポイ捨てしてしまった。2015年12月、韓国の朴槿恵大統領に言いなりに歴史事実を平然と歪曲して、理に合わない10億円の慰謝料を元・公娼(戦場赤線の売春婦)の老婆たちに手渡した。安倍晋三は、歴史の真実を改竄する“悪魔の日本人”である。

 だが、一般の日本人も問題。何故なら、“スーパー外交音痴”の安倍晋三がさも北方領土を奪還するかに、手放しの安倍礼賛が民族系の団体や論壇の洗脳によって、かなりの数の老人層に広がっていたからだ。これらの無教養な日本人たちは、日の丸が大好きだが、その脳内はすでに“半ロシア人”に改造されていて、まともな日本人ではない。「歯舞・色丹という偏頗で小さな島だけの返還をもって、プーチン山口県長門市来訪時のお土産だ」と、歓迎するムードに浸ることは、“国際法と条約に従った即時無条件四島返還”の日本国の当然の要求を自ら放棄する売国行為ではないか。

 今般、半ロシア人と化した民族系の安倍晋三ファン層が、冷や水を浴びたごとく、安倍晋三の引き攣った顔を驚いて凝視していた11月20日午前の日本の光景は、戯画化すれば、“一つのしょんぼり眼糞(安倍)を囲んだ、無数のびっくり鼻糞(安倍ファン)”という絵になるだろう。

1、日本が囂々とロシア非難をしない限り、ロシア指導者は対日妥協を選択できない

 安倍晋三は、ロシア外交がいっさいわからない。小学校一年生程度のレベルしかないと言えば、当らずとも遠からず。絶対守るべき“対露外交の鉄則・心得”を次から次に踏みにじる男。逆立ち対露外交に暴走する自惚れ幼児。

第一の対ロ外交の鉄則・心得

 対露外交ではロシア側要人と、極力会ってはならないこと。いや、基本的には会わないこと。何故なら、無交渉の場合のみロシアは妥協してくるが、テーブルでの交渉で妥協することはロシア民族にはできないからだ。だが、安倍晋三は、15回もプーチンと会った事を自慢する。高速道路を逆走して「どうだ、俺様はすごいだろう」と自慢する狂った暴走族と同種の人格の持主。正常とは程遠いし、脳が未発達な幼児レベルのようだ。

 安倍は国会の所信表明演説で、プーチンとの会談回数を自慢した(9月26日、この時はリマ会談の前だから14回)。この演説をテレビで聞きながら、私は心底腰を抜かした。そんなに会ったのならば、ロシアをしてさらに増上慢にし、よりひどく高圧的威嚇を日本にしてくるからだ。二ヶ月後のリマで、その通りになった。

第二の対ロ外交の鉄則・心得

 交渉中は、「ロシアは、余りに妥協しない/頑迷すぎる」と、徹底的に大声でロシアを非難・糾弾し続けること。この理由は二つある。

 第一は、ロシアの一般国民に対してロシアのトップ指導者がいっさい妥協していないことを伝えてあげないと、ロシアではこの指導者が国民から指弾され人気急落するからだ。今般のケースでいえば、安倍晋三は、プーチンを褒め称えたから、プーチンの顔を汚しプーチンの権力/権威を損傷したことになる。

 第二の理由は、ロシアは他民族・他国家から非難糾弾されている状態を常態と考えている。非難糾弾されない、他民族から好意的な言葉をかけられると、ロシアでは、この他民族にもっと阿漕な要求をすべきであるとの考えが国民すべてに共通して強く芽を出す。このため、ロシアの政治指導者は、この他民族に対して、もっと強圧的にもっと威圧的に要求をエスカレートする以外に道が無くなる。

国会での所信表明演説が示す、脳内が腐った南瓜なのか、“プーチン虚妄”に踊る安倍晋三は重病

 これら対ロ外交のイロハを基準に、“逆さ対露外交”に走った安倍晋三のトンデモ言葉を検証する。

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安倍晋三よ、直ぐにリトアニアに飛び防衛協力協定を協議し、トランプ・プーチン関係に楔を打ち“分断”せよ! ──12・15日露会談を中止し、日本が世界を“ロシア包囲”に主導する時

トランプ大統領は日本の好機

筑波大学名誉教授    中 川 八 洋

 本稿は、前稿「トランプ大統領の米国と、《国防第一》に大転換する日本」の続きである。安倍晋三首相が、トランプ次期大統領に会う11月17日(ワシントン時間)前、もし本稿を前稿と一緒にしたのを安倍晋三首相が読めば、必ずや頭が混乱して整理がつかなくなる。だから、安倍・トランプ会談の前と後、それぞれに合わせて前編と後編に分けた。

 もし国際政治学を高度にマスターしている読者であれば、前稿(前編)の末尾にSpykman博士の『America’s Strategy in World Politics』をわざわざ言及していることに気づき、それを“橋”に、この後編が続くのを見抜いただろう。後編に当る本稿を前編に繋がるタイトルに直せば、「トランプ大統領の米国と、世界を“ロシア包囲”に主導する日本」である。

50点(トランプ)は5点クリントンよりはるかにましだが、100点満点からすれば不合格

 いかなる政治家に対しても、投票を含め支持してはならない。政治家を選択するのが、一般有権者の選挙を含めた政治行動であるべき。政治家選択の基準は、「マイナスの少ない方を選択する」である。だが、日本では、“軽佻浮薄なお馬鹿”安倍晋三を熱狂的に支持する民族系の老人たちのように、落ちこぼれ女子中学生の“芸能人追いかけっこ”と同じレベルで、特定政治家に対して《熱烈支持》をする。恥ずかしいと思わないのか。  

 “支持”は政策ごとにするもので、その政治家の外交内政すべてを包括することはできない。「安倍晋三のこれこれの政策は支持するが、これこれの安倍政策は支持できない」が、有権者の正常の範囲にある政治行動である。安倍晋三自民党蓮舫民進党を例とせば、有権者はどちらかを選択するのであって、支持するのではない。このように「安倍晋三を選択する」のは正しいが、「安倍晋三を支持する」ことはありえないし、間違いである。  

 もう一度言う。「安倍晋三の集団的自衛権憲法解釈正常化を支持する」「安倍晋三の政権を、蓮舫ではなく、断固選択する」とするように、「選択」と「支持」は、正確に使い分けされるべきである。  

 さて、話を米国次期大統領問題に戻す。私の米国次期大統領論は、「米国民がクリントンを排してトランプを選択したのは、相対的に賢明だった」とするもので、私はトランプのすべての政策を支持しているのではない。トランプの内政はおおむね支持できるが、トランプの外交については、「三分の一支持、三分の二不支持」だからである。  

 つまり、トランプかクリントンかの選択にあっては、米国のあるべき内政・外交全体を基準として、両者を採点して、点の高い方を選択しても、この選択後には厳格な支持・不支持が検討されねばならない。トランプの個々の政策ごとに厳しく是非を論じ、非の場合、それをどう是正・矯正するかである。特に、米国大統領が指導し牽引する米国外交は、我が国の国益に直結するだけに、トランプの個々の政策の検討に甘さや手抜かりがあってはならない。

 日本がトランプ外交を日本に国益に合致するよう根本から是正したいのであれば、米国民の眼に見えるダイナミックな行動をしなくてはならず、“お願いベースのテーブル交渉”で済ませる《幼児外交》から日本が卒業することが絶対条件である。「米国民の眼に見える、日本のダイナミックな行動」とはまた、世界から称賛されるべき行動でなければならない。

1、プーチンのトランプへのラブコールを凍結させ、プーチンの顔を引き攣らせよう

 「アメリカ・ファースト(=米国の国内政策優先)」を掲げるトランプの外交政策は、今後は米国の対外介入主義の軍事行動をかなり制限することは間違いない。「世界の警察官」に徹した元・共和党大統領のブッシュ(息子)大統領(2001~2008年)に比すれば、顕著に相違するだろう。だからと言って、民主党最左翼オバマ共産主義者としての核廃絶への絶叫や(黒人に特有なのか)極度の怯懦からの対シリア化学兵器制裁尻切れトンボなど、オバマ流“臆病アメリカ・ファースト外交”の異常外交に比較すれば、五十歩百歩で変わらないだろう。

 とりわけ、オバマが断行した過激な国防費削減策を(注1)、《Great America》を掲げる以上、トランプは反転させるだろうから、この問題だけでも米国の衰退や退却トレンドがスローダウンされ明らかに歓迎できる。トランプが米国の核戦力の増強に舵を切れば、それは「使用」という“介入”ではないから、「アメリカ・ファースト」とは齟齬を起こさず、世界平和に貢献できる。トランプは増強するだろう米国海軍力についても同様。

 しかし、トランプの対外政策で、我が国にとっても、世界にとっても、“重大な危険”を漂わせているものが一つある。これは「警戒」で済ませうるレベルではなく、日本は断固としてこれを「粉砕」する策を謀って決行するほかない。この“重大な危険”とは何か。トランプのロシアとの関係の事である。トランプのプーチンとの異様な蜜月ムードの事である。トランプのロシア観は、日本にとって、ヨーロッパにとって、中東にとって、これからロシアの侵略と膨張を誘発していく。

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トランプ大統領と日本の《国防第一(ストロング・ジャパン)》への大転換が、太平洋の平和に貢献する──安倍晋三よ、軽空母4隻と原潜4隻を直ちに米国に発注せよ。これが真の日米同盟の絆だ!

トランプ大統領は日本の好機

筑波大学名誉教授   中 川 八 洋

 本稿は、トランプ米国大統領を見越しての前稿「トランプ大統領は、日本の国益に反しない(2016年5月22日付け本ブログ)に続く、日米同盟の絆強化の方策もわからなくなった日本の政治家に与える“(内政・外交で)最低限実行すべき基本”を喚起するもの。11月17日にトランプとの会談をする安倍晋三・首相は、前稿と併せて、必ず機中で読み拳々服膺されたい。

トランプ大統領の誕生予測は、日本では、私中川八洋以外、木村太郎と渡瀬裕哉のたった二氏。

 2016年5月~11月の約半年間、日本のテレビ・新聞の報道は、客観性と冷静さをいっさい喪失して完全に狂っていたと言える。自国ではなく外国である“米国の大統領選挙”に、なぜ日本の報道機関が一方の候補クリントン女史)に肩入れして他方(トランプ)を腐す必要があるのか。淡々と客観情勢を伝えるのが、本来あるべきマスメディアの姿勢ではないのか。  

 テレビ・新聞だけではない。この常軌を逸した偏向は、外務省や総理官邸の官僚たちも同様で、「それ勝て!クリントン!」と偏向応援をしていた。「いずれが大統領になるか」「この新しい大統領の米国と我が国の外交・国防・経済関係をどう構築するか」を思考していなかった証左だ。外野の無責任な野次馬になっていた外務省官僚たちは、職務放棄していたのである。  

 これは安倍晋三も同じ。9月19日、安倍は国連総会の帰り、殺人狂のカストロに会いたく共産党独裁国家キューバに急行する前、次期大統領だと思い込んでヒラリー・クリントンと会談した。米国を知らない安倍晋三は、トランプをピエロ候補とばかりハナから無視していた。  

 さて、日本国内の個々の学者やジャーナリストを振り返ってみよう。実に、面白い事実が判明する。おそらく、個人名(署名入り)で米国を論じた/報道した学者・ジャーナリスト・評論家は、一千名ほどはいるだろう。なのに、トランプが大統領になると自信をもって推定したのは、私の他は、フジテレビの木村太郎氏と、「アゴラ」常連寄稿者の渡瀬裕哉氏だけであった。

 つまり、私/木村/渡瀬は一千名中の三名の「0.3%」だから、日本の学者・ジャーナリスト・評論家のうち「99.7%」が、お門違いではしゃいだことになる。「余りにお粗末な劣化日本人たち」というところか。なお、私と、木村太郎氏/渡瀬裕哉氏の間には相違もある。両名は、大統領選挙の予測的中において評価されるが、それ以上ではない。

 私が、半年前の5月に発表した「トランプ米国大統領は、日本の国益に反しない」は、トランプの大統領当選は論じる以前に自明として、2017年1月のトランプ新政権発足以降の日米関係における日本の外交と国防政策についてほんのさわりだが、その採るべき方向を提示した。今、安倍政権は蜂の巣をつついたごとくてんやわんやで、トランプ政権との関係や日本のこれからの対米政策の研究にやっと着手した。が私は、それを2016年5月にじっくりと考え、その一端を前稿に発表した。

第一節 米国内の“分断”深刻化は、ケニア系黒人オバマ極左」大統領の負の遺産  

 日本のマスメディアは、日本の国際政治学者と同じく、極度にレベルが低い。大統領選挙関連の解説はすべて、読むに堪えないし聴くに堪えないデタラメな間違い報道ばかリに終始し、今なお、これを続けている。日本のジャーナリストの頭も人格も猿並み。

 例えば、「オバマ後のトランプ政権になれば、米国の内政は“米国の分断”が進む」の一色である。が、言葉「分断」は、ハンチントン著『分断されるアメリカ(2004年)が邦訳出版されて以来、日本では一杯飲み屋談義のカビが生えた古びた語彙。今更知ったかぶりで使う言葉ではない。

ケネディ政権下でキング牧師らの)公民権運動(1960年~)を皮切りに始まった、米国の“分断”  

 米国における“分断”情況は、ポスト冷戦の1990年代から如実な傾向を現わし始めた。そして、この“分断”の深刻な深化こそが、かつてはマイノリティとして政治エリートには決してなれない筈のケニア系黒人オバマをして大統領に当選させたのではなかったのか。オバマが大統領に当選した2008年11月、私はすぐ思い出し手に取ったのが、その四年前に読んでいたハンチントン著『分断されるアメリカ』だった。ハンチントンは、こう慨嘆している。   

アングロプロテスタントの文化は、(17世紀半ばから1960年までの)三世紀に亘って、米国のアイデンティティの中核をなしてきた。アングロプロテスタント文化の主たる要素とは、英語キリスト教敬虔な信仰心(コーク卿の)法の支配というイングランド法思想、支配者の責任、個人の権利、非国教派プロテスタント個人主義の価値観勤勉を善とする勤労倫理、人間には地上の楽園《山の上の町》(マタイ伝5章14節)を作り出す能力と義務があるとの信念」

「ところが、20世紀末(の1990年代)になると、アングロプロテスタント文化の顕著性は、中南米やアジアから新しい移民の波が押し寄せたことによって挑戦を受けた(危機を迎えた)(それに加えて、諸々の新たな挑戦により)アングロプロテスタント文化の優越性は脅かされるに至った」

(「諸々の新たな挑戦」とは)知識人や政治家の間で、多文化主義と多様性を重視する政策が人気を博して流行したこと、米国の第二言語としてスペイン語が普及してアメリカ社会の一部がヒスパニック化したこと、人種・民族性・ジェンダーを基にした集団的なアイデンティティが主張されたこと、ディアスポラ(祖国を離れた地球放浪者)と彼らの元・祖国の政府からの影響力が高まったこと、エリート層が益々コスモポリタン化し、トランス・ナショナルなアイデンティティを持つようになったこと」(注1、丸括弧内中川)

 トランプ大統領によって、“米国の分断”が始まるのではないし、深刻化する訳でもない。ハンチントンの指摘する通り、“米国の分断”は、ケネディ大統領の公民権革命から一世代の三十年を経た1990年代からすでに深刻になっていた。これを一層悪化させた大統領が、ヒッピー系共産主義思想に染まった母親に育てられたバラク・オバマだった。オバマは、米国の国家的支柱「アングロプロテスタントの文化と米国を建国した入植者implanterの信条とを奉戴する」ことはなかった。「オバマケア」を見ても、その「不法移民政策」をみても(注2)、キューバとの国交回復による国是の「反共」放棄を見ても、米国民のアイデンティティ分裂を加速的に助長してきたのはオバマである。一千一百万人のヒスパニック不法移民を放置してきたのはオバマである。

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